OMORI 自己解釈

f:id:twings:20220123144100j:plain

 

「ホワイトスペースへようこそ」

あなたはずっとずっと、
ここにひきこもっている。

 

主人公のオモリは小さく白い部屋「ホワイトスペース(WHITE SPACE)」で目覚める。オモリはドアを開けて外に出ると、カラフルで活気に満ちた世界「ヘッドスペース(HEADSPACE)」に入り、そこで姉のマリと親友であるオーブリー、ケル、ヒロ、バジルと出会う。

個性豊かな友達、そしてエネミーでいっぱいの奇妙な世界の探検。
忘れ去られた過去を明らかにすべく、色とりどりの世界を、そして色あせた世界を進む。やがて、あなたが選んだその道が、あなたの運命を決定づける。
おそらく……他の誰かの運命も。

Steam:OMORI

OMORI - Wikipedia

 

2022年1月15日。土曜の昼12時より、すぎるさんとhacchiさんの御二方の配信にて此方のゲームを知った。このゲームはとても忘れられないとhacchiさんは推され、実際に私たちにとっても、忘れられないゲームになった。

また、御二方の感想や考え方も素敵だった。お優しさや温かさ、それぞれの良さがゲームと合っていて、より深く作品を味わえた。御二方と御一緒に世界やストーリーを知れて良かった。


ここからは、OMORIについて妹と二人で話している中での考えを残す。考え方は人それぞれなので、色んな解釈があり、あくまでも自分たちの中の思考。まだ未プレイの方が迷い込んだのならネタバレ注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

主人公のオモリはずっと引きこもっている、小さく白い部屋「ホワイトスペース(WHITE SPACE)」で目覚める。オモリはドアを開けて外に出ると、カラフルで活気に満ちた世界「ヘッドスペース(HEADSPACE)」に入り、そこで姉のマリと親友であるオーブリー、ケル、ヒロ、バジルと出会う。

オモリ達はバジルのアルバムにある写真に映された思い出を見て、マリを除く5人でバジルの家に向かうことを決めるが、その途中でケルとオーブリーが喧嘩を起こし、アルバムの写真が落ちて散らばってしまう。

写真を拾ってアルバムに戻すが、1枚残されたとある見覚えのない写真を目にしたバジルは恐怖し、そして黒い影に覆われオモリは突然一人だけホワイトスペースに戻される。そこから抜け出せずオモリはホワイトスペースで拾っていたナイフで自分自身を刺し、その出来事が16歳の少年・サニーの夢であることが明かされる。

一軒家にある私室のベッドで目を覚ますと、サニーは電話に残された母親のボイスメールから3日後に引っ越しすることを知り、お腹が空いて深夜に下の階へステーキを食べに行く。そして恐怖を象徴する悪夢のような幻覚「なにか」に直面したサニーは、最初は怖がるも、深呼吸し落ち着いて幻覚を払いのけ、ステーキナイフと共にベッドへ戻る。

ホワイトスペースで再び目覚めたオモリは、オーブリー、ケル、ヒロ、マリと再会するが、バジルは行方不明になっていた。バジルを見つけて助け出すことを決心し、途中でマリの助けを借りながら、4人はバジルを捜すためにヘッドスペースの様々な場所を旅する。しかしオモリ達は様々な状況に遭遇し徐々に気を取られ、バジルに関する記憶とバジルを助けるという目的を少しづつ忘れていくのだった。

一方、サニーが目覚める現実の世界では、マリが4年前に自殺しており、そのことをきっかけに友人たちとは離れ離れになっていた。ケルとヒロはマリの死から何とか立ち直っていたが、サニーは古い友人たちと疎遠になり、オーブリーはマリの死に対する皆の明らかに無関心な態度に裏切られたと感じたことから去り、バジルは神経過敏で被害妄想的な人物になっていた。

1日目(「あと3日……」)、ケルはサニーの家のドアをノックし、もう一度友情を取り戻そうとする。ここでプレイヤーはケルを無視するか、それに答えドアを開けるか選ぶことができる。前者を選んだ場合、サニーは残りの3日間を家の中で過ごし、和解するのではなく、家で雑用をして夢の世界での冒険に集中する。

後者を選んだ場合、サニーとケルはオーブリーがバジルをいじめていること、オーブリーがバジルの現実における本物のアルバムを盗んだことを知る。オーブリーと再び戦い、2人はいくらか写真がない状態のアルバムを回収しバジルに返すが、バジルはサニーにアルバムを持たせる。そしてサニーはバジルと共に夕食を食べている間、バジルはサニーの差し迫った引っ越しを知り突然悔やみ、バジルがサニーと同じような幻覚を持っていることが明かされる。

翌日の2日目(「あと2日……」)、別の戦いでオーブリーは誤ってバジルを湖に落とし、サニーはバジルを助けようとするが、2人共ヒロの到着によって溺れていた所を救われる。夢の世界で、オモリとその友人たちは荒廃したバジルの家に戻り、オモリはより不穏な「ブラックスペース(BLACK SPACE)」に入る。バジルはブラックスペースの扉を抜けた先に何度も現れ、なにかについてオモリに繰り返し話そうとするが、結局は陰惨な死を迎える。最後の赤い扉を抜けた先では、オモリがバジルを殺し、巨大な赤い手の玉座にその身を置く。

サニーが引っ越す前の最終日(「あと1日……」)、サニー達はオーブリーと和解し、行方が分からなくなっていた写真を見つける。オーブリーはマリの死を受け入れるが、バジルは自室から出るのを拒否し、サニー達は最後の夜をバジルの家で一緒に過ごすことにする。その夜、サニーは夢の中で、自分が誤って口論の最中にマリを階段から突き落として殺してしまっていたという真実に直面する。

サニーはマリを殺したことを否定し、バジルはマリの死体を吊るすことでマリの死を自殺に偽装することを手伝っていた。その後、2人は振り返ったときにマリの開いた目が2人を見つめているのを見てしまい、これが後に彼らを苛む幻覚の元となったのだった。

バジルは罪悪感と自己嫌悪に悩まされていたが、サニーはトラウマによる自殺性うつ病を引き起こし、そのトラウマを隠すためにヘッドスペースと夢の人格であるオモリを作り出していた。サニーは真夜中に目を覚まし、プレイヤーはバジルの部屋に入りバジルを救うか、眠りに戻るかを選択できる。

エンディング
プレイヤーが1日目にケルの呼びかけに答えることを選択した場合、最終日にバジルの部屋に入ると、サニーと精神的に不安定なバジルが互いに攻撃し合い、最終的には重傷となり気絶する。昏睡状態で意識を失っている間、サニーはマリと親友との記憶を思い出し、真実と向き合うことを選ぶ。しかしサニーはオモリと対峙、オモリは戦闘でサニーを打ち負かし、プレイヤーには通常通りの「コンティニューする?」と問うゲームオーバー画面が表示される。

プレイヤーがコンティニューすることを選択した場合、サニーは起き上がり、演奏会のために計画されていたマリとのデュエットを演奏する。オモリはサニーを抱きしめて姿を消し、現実の世界で、サニーはバジルと共に送られた病院で目を覚まし、バジルのベットに向かう。

友人たちに囲まれている間、サニーがマリの死について友人たちへ真実を話すことがシーンから暗示されている。さらに、プレイヤーがヘッドスペースで毎日バジルの庭の花に水をやった場合では、クレジット後のシーンで、バジルが病院で目を覚ますことが示されている。

バジルとサニーは互いに微笑み、幻覚は2人から消えるのだった。
プレイヤーがコンティニューしないことを選択した場合、オモリではなくサニーが消え、病院で目を覚ますと、サニーとなったオモリはバルコニーから飛び降りて自殺する。

プレイヤーが最終日にバジルの部屋に行かず眠りに戻った場合は、サニーと友人たちは目を覚ますと、バジルが自殺していたのを発見する。プレイヤーに選択に応じて、サニーはステーキナイフで自殺するか、罪悪感を抱いたまま遠くに鳴り響く救急車のサイレンと共に街を立ち去るなどができる。プレイヤーが1日目に家の中に留まりケルの呼びかけを無視することを選択した場合でも、この2つのエンディングに到達する。

OMORI - Wikipedia

 

・ 1枚残されたとある見覚えのない写真を目にしたバジルは恐怖し
  そして黒い影に覆われオモリは突然一人だけホワイトスペースに戻される。
・ バジルを見つけて助け出すことを決心
・ バジルを助けるという目的を少しづつ忘れていく

→ 心の中で共犯になってくれたバジルへの罪悪感、その後バジルを助けに行くことから、心ではバジルを救いたいと願うも、途中忘れていってしまうのは、そう心に思っても、罪を自覚する度、罪を認めて周りに告白するのが怖いといった、心の動きが表されているように思う。

・ オーブリーが誤ってバジルを湖に落とす

→ 殺人は許されることではないけれど、誰しもが殺人を犯してしまう可能性を秘めている。

・プレイヤーが1日目にケルの呼びかけに答えることを選択した場合、最終日にバジルの部屋に入ると、サニーと精神的に不安定なバジルが互いに攻撃し合い、最終的には重傷となり気絶する。
・昏睡状態で意識を失っている間、サニーはマリと親友との記憶を思い出し、真実と向き合うことを選ぶ。

→ 現実のケルの呼びかけに答える。= 今まで閉じこもっていたサニーが、外との繋がりを持とうとした。そして呼びかけに答えられる程度の、心のほんの少しの余裕があったから、その後バジルとも傷を見せ合うことが出来たし、真実と向き合うことが出来ると考えた。

 

プレイヤーがコンティニューしないことを選択した場合、オモリではなくサニーが消え、病院で目を覚ますと、サニーとなったオモリはバルコニーから飛び降りて自殺する。

→ 現実世界ではなく、心が守られるヘッドスペースを選んだ。

・許す許さない問題

サニーが犯した罪を友達は許してくれるのか。その答えは結局相手次第だと思う。罪を償えば許すと答える人がいるかも知れない。殺した人物・殺された人物によると答える人もいると思う。
私がマリの場合、弟に苦しんでほしくないから、全く気に病まなくて良いと思うだろう。わざとで無いのだから、気にせず未来を見て楽しく生きて欲しいと思う。
バジルの「きっとみんなも許してくれるよ」という言葉は、心が崩壊しそうなくらい辛い状況の中で、相手の気持ちを救いたいと思って出た言葉だと感じた。サニーは誰からも受け入れられない、必要とされなくなるかもしれないという恐怖も感じていたから。

・OMORIは何故屈しないのか

→ 愛する姉を自身の手で殺めてしまったサニー。OMORIが屈しないのは、それほどまでの罪悪感を持ってしても、罪に耐えて死ぬことを選ばなかった、それまでのサニーの心の強さを表現していると思う。

 

・バジルは罪を受け入れられた?

→ バジルが初めサニーが殺したのではなく、別の誰かが殺した。と思っていたのは、私の場合、サニーがまだ受け入れられなかったからだと思う。違うと言うことで、サニーに心の逃げ道を用意し、独りぼっちにはしなかった。嘘を本当だと信じられるくらい強く思い続けることで、実際に別の何かが見えてしまった。最後は、サニーが受け入れたからバジルも受け入れることが出来た。

 

・オーブリーはサニーのことが好き?

→ 見落としているかもしれないけれど、現実のサニーがオーブリーのことが好きで、ヘッドスペースにそれが表れて、オーブリーがオモリに好意的なのだと感じた。つまり片思い。現実では何方かというと友達よりの表現。サニーの方がバジルとの過去の記憶で「オーブリーの写真だとすぐに見にくるね」と指摘されて顔を赤らめている。

 

曲も全体的に最高だった。最後、頭の中で姉のマリと行うコンサートは、何時までも聞いていたいほど感動したし、BADエンディングで流れるBo en My Timeは、絶望と、心の中で作った平和を自然と思い出す曲だった。平和でいたいけれど外の世界の騒がしさ、独自の世界、怖くて眠れない、おやすみが呪いのように感じる。

辛い時に拝読していた下記サイト。人により差はあるが、この時の気持ちの異常さがOMORIでは表現されているのに驚いた。実際のサニーはもっともっと辛い状況だけれど、その表現するのが難しい心情が、イラストや言葉、世界観によって表現されているのは圧巻だった。

「私が生きていると迷惑をかける」苦しみの原因と解決策 | ナミうつブログ