転職したときのお話(妹記載)
卒業して、就職をした二人は離れ離れ。妹は仕事が重くなるプレッシャーと、パワハラに日々悩んでいた。
「こんな毎日はゴミだ」
悲しみの末に吐き出した言葉に、ド深夜残業マン姉がこう言った。
「転職しようぜ」
……確かにそうすれば問題が解決することは目に見えている。
しかし、そんなのは夢物語だ。
第一親が認めてくれるわけ無いし、双子を雇ってくれる会社なんてあるはずが無い。
姉「…周りは関係ないよ。うちらがどうやって生きていきたいかさ」
姉はいつも周りに流されなくて強い。
(姉追記:子供の小さい世界だと、色んな考えを否定されることも多いけれど、未来は誰にもどうなるか大抵分からないし、誰だって間違えることがある。自分の責任で自分の好きなことが出来たら嬉しいね)
こうして二人は同時に転職活動を始めた。
職場を調べること数日、福利厚生が良く、家に程よく近い、良い場所が見つかった。
しかしネックなことが一つ。それは面接が2回もあることだ。
対人関係が苦手なうちらにやってのけられるのか?
緊張しながらも、逃げる訳にもいかないので、いざスーツを着込み会社へと向かった。
一度目はパスし、二回目の社長面接。
社長「君はここが最終就職かね?」
「もちろんです! 最終就職するならここが良いと思い決めました!」
社長「そうか!!じゃあよろしく!」
まさかの一発合格だった。
まだうちらが若かったからか、双子で就職なんてどこも取ってくれないだろうという
情が出たのか分からない。でも良かった。
二人は嬉しさに胸をどきどき踊らせながら家まで歩いて帰った。
そして転職するまでの期間、うちらは社会人になって初めての長期休暇ならびに、初めての二人旅行をしたのだ。(下記に記載)
皆に受け入れて貰えるか緊張したけれど、思った以上に普通に受け入れて貰えて嬉しかった。それに姉が辛い時に、どうして辛いのか理解してあげられるし、辛いことがあっても姉に話せば、翌日にはすっかり元気になれるから凄い。始めは心配していた両親も、今では安心してくれているし、良いこと尽くめだ。
転職する前、別々の会社にいた時に、姉が仕事で疲れたうちを毎日自転車で迎えに来てくれた。うちも駅で姉の好きなものを買って帰るのが好きだった。
そんなことを良い思い出として語れる今はとても幸せだ。
今は毎日がとても楽しい。
だって二人で一緒にいれば楽しくないはずがないのだ!
ホテルミラコスタ!(姉記載)
人生初の二人旅行は、昔からの夢であったディズニーホテルミラコスタだ!
シーから帰宅する時に、窓から見える人影は何時も二人をドキドキさせた。
ミラコスタでは通常のチェックインより前にチェックインが出来る、プリチェックインというものがある。1日目はランドで2日目がシーだから、シーにあるミラコスタへプリチェックインの為にランドより先にシーに行く必要があった。
妹「じゃあ、二手に別れないとね!うちはプリチェックインしてくるよ」
妹は面倒なプリチェックインをかって出てくれた。
姉「ならうちは、ダッシュで並んどくね!」
しかし今の時間はまだ7時、人影はひとつも無い。
妹は持ち前の足腰でディズニーシーまで歩いて向かい、チェックインと二人分の荷物を預けてきてくれた。
妹「帰りは2デイパスポートで帰ってこれたし、ミラコスタは雰囲気が素敵だったよっ」
そんな素敵情報と共に帰ってきた妹と二人で並んだときには前から二番目だった。
ランドではハッピーイースターというイベントをやっていた。
いつも夏休みか、10月、12月にディズニーに訪れるので、ディズニーのイースターは初めてだ。ショーは頭の中から離れなくなりそうな曲の中、キャラクター達が微笑ましげに踊る。
平日だからか本当に人が少なくて、何でも乗れた。
ジャック仕様じゃないホーンデットマンションは久しぶりで、大人になって乗ってみると結構怖い。ビックサンダーマウンテンも今までは修理中だったから3回乗った!
シンデレラ城の美術館も初めて行った。
「お土産屋さんも今ならスキスキだね」
二人は最後、足軽にショップへと向かい、夏用のパジャマとしてパンツとシャツをこさえた。予定より早くランドを出て、一度行っていた妹に案内されホテルの近くまで来た。
その瞬間、胸が締め付けられるくらい美しい町並みが広がっていて、さながらファンタジーの世界の宿みたいだ。
遠巻きに見える宿舎は、計算し尽くされた外観で、ずっと見ていたいと思えるほど。
これからここに泊まるのかと思うと胸が踊る。
そして、貰ったルームカードで部屋にはいると、部屋もリニューアルしたばかりでとても美しい。
緑の大きなベッド、窓に面したティーテーブルにはオレンジに照らすルームランプ。
部屋を暗くして窓を開ければまだ人々が夢の国を満喫している最中。
運河の船が停泊している。
運河沿いの部屋はシーの曲が流れ、まるでパーク内に住んでいるみたいだ。
「まずお風呂からね」
テレビにはディズニーチャンネルが存在し、それを流しつつお風呂にはいる。
置かれているシャンプーなどもディズニー仕様で、いちいち心踴らされた。
お風呂から上がり、ローブを身につけ、妹の作ってくれた紅茶を片手に運河を眺めるだけで幸せが胸に広がる。
明日はシーで遊ぶんだと幸せな気分の中、二人は眠った。
*
翌日はシーにアーリーパークイン。15分早くはいれると言うのは、とても大きい。
早くから二人で並んで真っ先に今だ人気のトイストーリーに向かった。
「直ぐはいれまーす!」
15分後にファストパスが始まるので、宿泊した人はファストパスを取らずに先に乗れば待たずに乗れるのだ。
トイストーリーマニアはおもちゃの世界に入ったかのようなアトラクションで、シューティングが楽しめる。右手が痙攣しそうになるのは毎度のことだが、隣をチラリと見れば一万点位差ができていて、最後のランキングでは妹がその日の一番を叩き出していた。
~センターオブジアース~
「乗らない」
と普段なら言うが、妹は快く乗った。
何故ならアーリーパークイン。乗りすぎて他に乗るものがなくなったのだ。
エレベーターに乗り込み、地下にもぐる。
エレベーターも凝っていて、本当に奥深くの地下に来てしまったみたいだ。
外国の方が乗っていたが、叫んでしまうのは万国共通。
むしろ同じ命の危険に晒された同じ穴の狢。一体感が生まれる!
スプラッシュとは違い、身構えることの出来ないまま、もうスピードの落下に妹の叫び声も、外国人の叫び声も同じだった。降りたとき、妹はもう一度乗る? と言ったが、外国の方も嬉々としてファストパスを取っていた。
~BBB~
やっぱりシーに来たならばこれを観なければ終われない!
今日は抽選もないから早めに並んで4列目真ん中を座った。
ミッキーと沢山目が合う素敵な席だった。
本当に目線の高さがミッキーの正面だから、まるで二人の為に踊っているようだった。
~帰り~
いつもは寂しい帰り道。
でも今回は少しも寂しく無かった。
実は次にUSJ旅行も企画しているからだ!
そしてそれは明後日出発する♪
USJ!(妹記載)
二人旅行第2段は大阪・京都で2泊3日。
1日目はたこ焼きミュージアムに行った。
姉が好きなもちチーズたこ焼きと、うちが好きな塩ねぎたこ焼きの2種類を半分コ。
姉が「この塩油たこ焼き美味しいね」って言ってて面白かった。
ホテルは窓からUSJが見える部屋で、明日はあそこで遊んでるのかと思うと幸せだった。部屋では一緒にお絵かきをした。姉はうちが、今書いている小説のキャラクター(千里)を描いてくれて嬉しかった。
翌日、楽しみすぎて早く並んだうちらはUSJに一番で入場。
真っ先にハリーポッターワールドに直行した。
景色を楽しむ前に朝ごはんを三本の箒で食べる。
バタービール
まさかの泡が甘かった。なんて例えて良いか分からないこの味にうちは困惑したが、姉はとても好きな味だったらしい。
お店を出れば、景色はまるで魔法界に迷い込んでしまったかの様。出迎えてくれたホグワーツ特急では車内で記念撮影が撮れる。出来上がった写真にはボタンが付いていて、押してみるとハリーポッターのBGMが流れ、楽しかった魔法界を思い出させてくれる。
お店の商品もリアルで可愛らしい。
カエルチョコはとても大きかった。
蛙チョコのパッケージは子供の頃から大好きなデザイン。
百味ビーンズは二度と買わないのさ。
ハリーポッターワールドを後にして、次に向かったのは「モンスターハンターtheリアル」うちらの大好きなゲーム「モンスターハンター」のイベントがやっていた。
迫りくるセルレギオスはまさかの等身大。
ジンオウガが吼えると地面が揺れて、手すりに電流が走った。
ほかにも色んなアトラクションに乗った。
バックドロップ
振り落とされないかという恐怖との戦い。
終わりの頃に雨が降ってきてコースターが止まった。
みんな雨に打たれてビショビショになったけど笑っていた。
やりすぎな感じが凄く好きだった。
スパイダーマン
写真を買うときに、姉のサングラスをあげながらポーズを決めてる姿を見て、店員さんが「プロですね!!」って驚いていた。
そして、最終日は京都の鴨川をみてきたよ。
本当はお寺に行こうかなと思ってたけど道に迷ってこの場所に着いた。
沢山歩いて疲れていた気分が吹き飛ぶ優しい景色。
京都にはこんな綺麗な場所があるなんて素敵だな。
土手で昨日買った蛙チョコを半分コして食べた。
帰りに、姉からお土産に練り香水を貰った。
とても楽しくて幸せな時間だった。