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これからシナリオをプレイされたい方
ネタバレなのでご覧になりませんように
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キャラクター紹介
KP&KPL 姉 : 白波瀬(しらはせ)阿蓮(あれん)
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技能 / 設定
芸術家。大体の俗世に興味薄め。アシェルについては、社会的ステータスと自己肯定感のアンバランスさ、己を深く見つめているが、己への優先順位は低く、本質の心優しさと、潜んでいる白波瀬への依存心に惹かれて、唯一無二の存在として溺愛している。
PL 妹 :アシェル・クラーク
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技能 / 設定
職業はモデル。とても優秀な兄が一人おり、興味関心は兄に注がれがちであった。子供の頃から自分に自信がなく、外見を磨くことで自信をつけようとした。しかし、外見を褒められても自信に繋がらなかった。物事を本質で見る、常識にとらわれない、気持ちをまっすぐ伝えるアレンと共にいる時間は心地よい。
本編
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1.始まり
――パン!
乾いた銃声が鳴る。
ワインをぶちまけたように、宙へと血しぶきが舞う。
あなたの視界に映ったのは、衣服を真っ赤に染めた白波瀬の姿だった。
白波瀬の顔が青ざめていく。それから、力なく笑って。あなたは、手を伸ばす。
肩を揺らす感覚であなたは目を覚ました。
ぱちり、と目を開けば、白波瀬があなたをのぞきこんでいる。先ほど見たものは夢だったのだろうか。
白波瀬は不思議そうに眉根を寄せると、持っていた本でぺちぺちと頬を叩いてからため息を吐いた。「ねぇ、まだ寝ぼけてるの? ねぼすけさんだなぁ」
そう言われてハッとして身体を起こす。
確かに白波瀬とは今日一緒に出掛ける約束をしていた。(寝ざめが悪いな。疲れてるのか……?)
眠りから醒めた後、まるで薬を数日断ったかのように重い。
動けないことは無いが、寝ていたにしては疲労感がたまっている。「アシェルの方が起きるの遅いなんて珍しいね~♪」
「なんかダルくてな。今日は何しに行く予定だっけ?」
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました~。今日はアシェルの誕生日だからね。一緒に観劇したりぃ、ご飯食べたり。かな?」
「久しぶりの休息ってところか。いいな」
白波瀬は芸術家であり、たまにボランティア活動もしている。アシェルも職業がモデルなので普段は忙しいのだ。
(まぁ何か変なものでも飲んだのか。白波瀬は普段と変わった様子は無さそうだし)
そう言ってアシェルは隣にいる、白波瀬に目をやる。
小さな本を持っているようだ。パッと見る限り宗教的なものだろうか?
「それ何を持ってるんだ?」CCB<=70 【目星】> 46 成功
「熱い眼差し……あ、これぇ? これはね、古書店さんで借りたんだけど、僕にとって大切な物なんだ」
「どうして大切なんだ?」
「秘密はね、最後に明かされるんだよ♪ 」
(どこかで聞いたセリフ…?)※アイの歌声を聞かせての台詞
*
劇場の近くにある、ショッピングモールに着いた。 白波瀬が誕生日プレゼントにオーダーメイドのスーツを選んでくれるらしい。
「えへへ、アシェルのおにゅーのカバンも買いに行く? な~んでも買ってあげる!」
アシェルは、こそばゆい表情で頬をぽりぽりと掻いた。
「白波瀬は何か欲しいものとかないのか?せっかくショッピングモールに来たんだし」
「ん~、僕はアシェルが居てくれたらそれで良いよ」
「今生に物欲はないし。食欲はあるけど」
「お腹空いた……山盛りの御肉食べたぁい♡」
「じゃあ食事にするぞ」
レストラン山盛りの御肉が阿蓮の胃袋へ吸い込まれていく。
「人間は肉食で良いね。あっ、もちろん草食もいるけれど」
「でも草も生きてるけど、本当に生命を大切にするには何を食べるんだろう? 詳しくないからわかんないや」
「点滴…とか? あー、点滴って成分なんだろうな」
「食塩水とか? なら点滴が一番優しいのかな! ふふっ」
「でも微生物がいるだろうし、全てを守りたい気持ちは分からなくもないけど、不可能だよな。結局は弱肉強食」
「でも~0秒で点滴って回答するのアシェルくらいじゃない? 本当に生命に優しいのはアシェルちゃんってことだね。さっすが僕のアシェルちゃん❤」
「ムズ痒いこと言うな…!」
「え~? 普通だよ~」
(白波瀬と話してると、自分が常識なのか分からなくなる)
夕方二人はチケットを頼りに有名な劇場へと足を運んだ。
ロミオとジュリエットをモチーフにしているようだ。
物語の後半、神父がヒロインに仮死になる毒薬をもたせ、主人公には眠りから覚めたヒロインを霊廟に迎えに来るよう知らせるという妙案を思いつく。タイミングが悪く、ヒロインが死んだと思った友人は主人公へヒロインの死を告げる。悲報を受けた主人公は彼女の後を追うように服毒。目覚めたヒロインも自らの命を絶ってしまう。「どんな呪いでも、どんな苦しみでも。相手とわかちあうことができれば、何も恐れることはない」といったセリフで劇は終幕する。
「う……お肉食べ過ぎちゃった…かな」
劇場を後にすると、隣にいる白波瀬の呼吸が荒い。顔が青い。明らかに体調が悪そうだ。
「アシェルのお皿の御肉も半分頂いちゃったし……」
「症状は? 腹がパンパン以外に、頭痛いとかあるか?」
「なんだろう、上手く表現できないけど、しんどいって感じ」
「せっかくの楽しいデートなのにごめんね、御家帰っても良い?」
「家で一旦安静にするぞ」
「……アシェル優しい♡ お嫁さんに来て♡」
「意外とまだ大丈夫そうだな」
そう言ってアシェルは白波瀬の肩を支える。
体調の悪い白波瀬を寝かせて、あなたも眠りにつくことが出来るだろう。
夢を見る。
夜の闇の中、白い肢体と、鮮やかな銀毛が窓から零れる月明かりに良く映えた。衣擦れの音だけが静かな部屋に響く。彼が自分に跨っていた。細く骨ばった指先で、愛おしそうに喉仏を、鎖骨を、胸板をなぞり、顔を近づける。彼の唇が、ついばむように首元へ触れる。感触を確かめるように何度か血管や喉に口付け、ぬるりと舌で舐められる。
次の瞬間だ。
薄い皮へ歯を突き立てられる。出血しなかったのが幸いだったかもしれない。
鈍い痛みが首元から広がる。きっと歯形がしっかり残っているだろう。
そのまま彼は、何度も場所を変えて噛みついた。
喉へ。肩口へ。胸元へ。脇腹へ。
噛むたびにその力が強くなり――それはやがて、肌を裂いて肉へ至る。探索者は違和感で覚醒する。夢だというのにその感触はあまりにリアリティがあった。
(怖いけど官能的な夢みた…)
自分の体には噛み痕が残っている。SAN値チェック失敗 SAN55 → 53
そして――。
何よりも、目の前の光景にくぎ付けになるだろう。
夢の続きのように白波瀬がいた。「白波瀬…?」
「あっ……起きちゃった……?」
「噛んだだろ」
「うっ、た、体調が悪くて……美味しそうなアシェルさんサイドが悪い」
「どんな言い訳だよ。体調悪いと噛みたくなるのか?」
アシェルは顔を近づけ、口元を嗅いでみる。
(血の匂いするかな)
しかし、その前に 白波瀬は布団から飛び降りた。
「前世でワンちゃんだったのかも……っ! 僕は違う部屋で寝るね」
「ダメだ、具合悪いんだろ」
「そうやって女性を何人も好きにしたんでしょ! 私……知ってるんだから!」
白波瀬の体をふとみると、薔薇でも咲いているようだと錯覚する。
よく見れば、胸元が化膿し腐食していた。「何か隠してないか……」
「アシェル……僕……」
アシェルは軽く頷いて言葉を待つ。 白波瀬は自慢のルビーのような美しい瞳で上目遣いをする。そしてベッドに再び片足を乗せた。そして、今度は加減の知らない噛みつきの激痛により、アシェルは気絶してしまうだろう。
-
2.2日目
「痛ぁーーーー!!!!」
意識を失った探索者が再び目を覚ますと、今度こそ朝のようだった。
外から漏れる光が眩しい。白波瀬の姿を探しても、どこにもいないようだ。
何か知っている人はいないだろうか。「海外旅行中に急にどこか消えるなんて......。昨夜から様子は可笑しかったが」
(まずはホテルの人に聞いてみるか)
フロントの人「アシェル様、どのようなご用件でしょうか?」
「仲間とはぐれてしまって。こんな人見ませんでしたか?」
そう言ってスマホで写真をみせる。
フロントの人「白波瀬様ですね。すみません、そこまで御力にはなれないのですが、今朝は何処か具合が悪そうでしたので、そこまで遠くまで行かれてはないかと思います」
(ホテルを出て、すぐまた聞きこむか。)
お姉さん(あら、イケメン……)
「お姉さん、この男の人みました?」
赤面する お姉さん「あっ♡ その人なら、暗い路地の方で見ましたぁ♡ でも。その周辺、ここ最近変なローブ集団がいるので、気を付けて下さいね♡」
「どうも、良い一日を」
路地に向かうと、白波瀬が黒ずくめの男と路地裏で何かやりとりをしているようだ。札束を渡しているのが見える。声をかける前に、男は立ち去る。
「じゃあ夕方、また“クラブ・アンリアル”の裏口で」
付近に会員制の高級クラブがクラブ・アンリアルある。
そこまで思考を回すと、よほど体調が悪かったのか、白波瀬が地面に崩れるところが見えるだろう。「大丈夫か…...」
駆け寄って支える。身体を預けて頭を擦り寄せるものの、意識はかなり朦朧としているようだ。血が足りていないのだろうか。普段白い顔が更に青白い。
「ご、めんね……貧血かな」
「ー……これ、どうしても曲がり角の古書店に返さないといけないんだけど……」と困ったように手荷物の本とアシェルを交互に見るものの、明らかに弱っている。
本をぽとりと取り落とし、甘えるように軽く襟をつかんで耳元で「ごめん、のど、かわいて」「なんか、かってきて」と頼む。すぐさまお店で水を購入し、白波瀬のもとに戻ってこようと小路を曲がった瞬間。
「見つけたぞ」「やはりそうだ」「急げ、連れていけ」と声がする。
慌てて覗き込めば、複数の銀色の仮面をつけた男たちが白波瀬を車に押し込んでいるのが見えた。白波瀬の手首からぽろりと鍵が零れ落ちた。車は急いでその場を後にする。
手には白波瀬が残した本や鍵が残っている。
この鍵は白波瀬の部屋の鍵だろうか。――この状況でただ忘れた・落としたを奇想天外なアイツがするだろうか……?
あなたは以下の場所にいくことを思いつくだろう。・古書店
・白波瀬の部屋
・クラブ・アンリアルまた、白波瀬の残した本も改めて読むことができるだろう。
「本……読んでみるか」知識 (1D100<=65) > 59 > 成功
「すぐにでも助けに行った方がいいだろうが、無策だと窮地に陥るかもしれないし」
【『Quid sumit mus?』】
キリスト教学における聖餐について書かれている。
聖餐の起源は最後の晩餐にあるという説がある。
最後の晩餐では、子羊――つまり、贖罪のために捧げられた供え物のように、
イエスがパンを取り「これがわたしのからだである」といい、
杯を取り「これがわたしの血である」と言って弟子たちに与えた。(中略)
血液は生命の象徴として考えられている。
聖別されたパンをイエスの一部であると同一視し、
それらを分け与えることで神と人との交わりが生まれるというのであれば、
対象の一部を与えてもその根源と繋がっていると考えられるのではないだろうか。---
また、それらに付随して、著者の意見なのか、以下が記載されている。「血肉の交わりは魂の交わりともいえる。魂の片割れと深くつながりがあるのならば、片割れが悲しむとき、私もまた悲しむだろう」
[情報] <知識>…… :
このタイトルは、「ネズミは何を食べるのか」という意味のラテン語になることを知っている。
宗教学でたびたび議論される言葉だ。
聖別されたパンをネズミが食べた時、ネズミはキリストの体を食べたことになるのだろうか?
キリストの体はネズミの中にも現存するのだろうか?という話題である。本から分かるのはこれくらいだろう。
「昨日のロミジュリといい、強い絆が分かれる話ばかりだ」
「それに食事の話。白波瀬は何かを伝えたかったのか俺に」
「でも分からない。次は白波瀬の部屋だ」
白波瀬の部屋鍵がかかっているが、白波瀬の部屋の鍵であけることができる。
室内に荒らされた様子はない。引き出し付きの机の上には、本とプレゼントボックスが置いてあることがわかる。プレゼントはアシェルに合わせたラッピングがされている。靴箱――よりは少し小さいだろうか? 軽く振ると何かが入っているような音がする。カードが添えられており「For My Darling!」と白波瀬の字で書いてある。カードを取るのであれば、裏返すと、「ちゃんと持っていくこと! 僕の目の前で開けてね!」とご丁寧に追記されている……。「あいつの目の前で…...?しょうがないな」
アシェルはそう言って笑い、次は日記を手に取る一冊の本。どうやら簡易的な日記のようだ。「愛とは祈りであり、祈りとは呪いである」とだけ書かれた栞が挟まれている。また、日記には紙が折りたたまれて挟まれていた。
【白波瀬の日記】
貴方との思い出が多くつづられている。
気になる点は以下だろうか?*3日前
一勝負って言ったから乗ってみたけれど、案外勝てるものなんだなぁ。あんな大金何に使おう。アシェルが見たら、心配性な彼のこと、小言を言うんだろうか、楽しみ。
それにしてもあの仮面の人、「Cults of the Ghouls」を持っているなんて。
オッケー。その賭けに乗ろう。命でも何でも賭けてあげる。体が重い。
たぶん、これでうまくいった。
*2日前
体が重い。
動物の肉で代用をするのも限界かもしれない。
やっぱり悪夢は見る。人を食べる夢。眠れない。
儀式? の場所も方法も解った。あとはうまく…。
*昨日
喉が渇いた。お腹が空く。
悪夢ばかり繰り返してみる。眠ることができない。
余り頼りたくはなかったが手配が間に合いそうだ。「白波瀬は人食いになったのか…?」
【何かの呪文?】 :
▼魔力を込めた弾丸
魔力を込めた弾丸は、本来物理的な攻撃が当たらないような魔をも払うことができると言われている。(以下読み解くことができない)▼血楔の弾丸の精製
聖別され、魔力を込められた弾丸で魔を払うことができるのならば、逆に穢れたものを使った例を次に挙げる。この血楔の弾丸は、穢れた血液と魂を、魔力を込めた弾丸に追加で注ぎ込むことで完成する。一種の呪いだ。呪いを込めた弾丸である。相手に対して魔力を込めた弾丸で打ち込むよりも、さらに強い呪いをかけることができるだろう。本来到底叶わない神のような相手にも一矢報いることが出来るかもしれない。ただし、対象がもし■■れている物であれば、■われているものであれば。
対象が受けるべき傷や呪いは一手に術者自身が引き受けることになる恐れがある。死に至るような傷であっても、込めた呪いが強いほど、まるで跳ね返るように。この精製にはその魂を焼べることから、1発につき1POWを消費する。(続けて、白波瀬の筆跡で走り書きがある)
つまり、くるしいこともすべて
僕が奪える
--- --- --- --- --- --- --- --- --- ---血楔の弾丸の精製方法は、記載されているため、探索者でも扱うことができる
「魔力を込めた弾丸で強大な敵を怯ませることが出来る。穢れた血なら倒せる?しかし穢れた血の場合は、術者本人に返るという代償があるのか」
「引き出しの中も見てみよう」
開けると中に銀色の弾丸と銃が入っている。弾丸は握り込むと不思議な熱さを感じる。
「さっき書いてあった銃か…?」
調べられるのはここまでのようだ。
(弾丸を作っておこう)
自らの血を用いて呪い(まじない)を行う。
白波瀬はこの呪文を使ったのだろうか――
白波瀬は自分のすべてを引き受けようとしたのだろうか。
愛よりも重い呪いで、助けようとしたのだろうか――。考えながら儀式を行えば、一発の赤くて鈍い、鉄錆びたような――まさに血の色の弾丸ができることだろう。
「出来た、、、」
「じゃあ古書店に向かうか。本を渡して欲しそうにしていたし」
*
街はずれにある小さな古書店だ。中では不愛想な老人が一人、カウンターで新聞を読んでいる。本を返しに行くのであれば、古書店の店主は、白波瀬はどうしたのか?と尋ねてくる。また、本については「そこの棚に返しておきな」と言われるだろう。
アシェル・クラーク 図書館 (1D100<=80) > 78 > 成功
一冊分開いた棚だ。隣にはオカルト書が並んでいた。ふと気になって斜め読みを行なうと、以下のような記載があることに気が付くだろう。
【変形する影と巨人の神について】 :
その影神は死にまつわる神である。
影のように変形する巨躯の神であり、芋虫上の形を取ったり、様々な形に変貌する。変幻自在であることから、魔力を付与された武器しか攻撃が通らない。店主「そこの坊ちゃん。そういったオカルトに興味があるなら、「腐肉食らいの呪術本」の昔話を知っているか?」
「どんな話ですか?」
店主「生と死にまつわる様々な呪術が書かれていてな。人をよみがえらせることもできるらしい。但し、目を通してしまったり、その呪術に手を染めてしまったものは、人の理を外れる呪いを受ける。これは本に憑りついた悪魔のせいだと噂されていたんじゃ。ほっほっほ」
ここでの情報はここまでのようだ。
「呪いを解く方法がキーになりそうだが...…。それは書いてなかったな」
「しかたない、クラブ・アンリアルに向かうか」
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3.クラブ・アンリアル
クラブ・アンリアル会員制のクラブのようだ。正面入口にはガードマンが立っており、探索者を一瞥すると静かに首を横に振るだろう。建物は大きく、ぐるりと裏口に回ることもできそうだ。
「白波瀬はどこかに連れてかれたから…...来ないか」目星 (1D100>=70) <13 成功
高級クラブだけあって、出入りしている人は誰もが品の良い服を着ていることがわかる。必要に応じて着飾ってもいいだろう。少し待っているのであれば、ウキウキと鼻歌を歌う機嫌の良さそうな客がちょうど店から出て自分のカードを眺めているようだ。
建物への侵入方法について
・出てきた上客を捕まえて、買収する
・みぐるみを剥ぎカードをもらう
・出てきた上客に<変装>等で成りすます
・裏口から潜入する
・ガードマンを倒す、魅了する、騒ぎを起こして引き付ける
「まずは良いスーツを着ておこう。これで少しは紛れるだろう」
丁度、白波瀬が買った最高級品のスーツがある。
(上質なスーツに腕を通すと、自信が漲ってくるな。)
(でも、まずは裏口からの侵入を試みよう。)
裏口には、少し大きめの手荷物を持っている男が現れる。
明らかに誰かを探している様子できょろきょろと辺りを見渡している。(白波瀬と待ち合わせをしていた男か? 勝負に出るぞ)
「白波瀬の代理だが」
手荷物の漢「あぁ、良かった。依頼されてた物を2つ持ってきた。では代金を頂く」
手荷物の漢「全部で24万だ」
「カードで良いか?」
所持金について現金払いしか受け付けないようだ。
果たして今あなたはいくら手持ちにあるだろうか。財布の中にある現金を、<1d10>万円として決定する。 (1D10) > 9万
(ん~足りないネェ)
手荷物の漢「その様子じゃ足りなそうだな。丁度カジノがある。カードはこれだ。そこで増やすんだな」
(意外と寛容だ)
「あぁ、悪いな。すぐ戻る」
クラブ・アンリアルにある、カジノクラブに向かう。正面華やかさと優雅さを併せ持つ内装が探索者を出迎える。どこか落ち着いた暗さの中だからこそか、天井のシャンデリアがきらきらと瞬いて美しい。バーカウンターのほか、カジノスペースやダンスフロアも併設されているようだ。2階建てになっており、奥に階段も見える。
≪探索個所:バーカウンター、カジノスペース、2階≫
「まずはカジノスペースだな。足りないのは15万」
カジノスペースカジノスペースでは賭け事を行うことが出来る。
カジノでは現金をカジノコインに替えて行うようだ。
コインは1枚=5000円。目星 (1D100<=70) > 53 成功
テーブルには、「”Fortune favors the bold.”」と刻まれている。
これは「幸運は勇敢なものを好む」ということわざだ。
「勇敢なものを好むね…...」
ミニゲーム(ブラックジャック)トランプで合計「21」を揃えるカードゲームだ。プレイヤーは掛け金を設定すること。
1回戦目は18枚のうち、9枚賭けた。ディーラーがバーストし、アシェルの勝ち。
(まだ若干足りない・・・)
ディーラー「ふふん、今日初めての負けだ……相当運が強いと見える」
(もう1戦プレイするか、それとも・・・)
ディーラー「ちなみにダンスホールがある、ダンスが得意ならばチップを貰えるぞ」
「仕方ない、APP70ダンスをお披露目するか」
そう言うとアシェルはステップを踏みながら上着をペロンと捲る。親指と人差し指をスリスリとすり合わせて、ポッケを指さした。(チップくださいの意)
クルクルクルクル回るアシェルに 上客が次々と金銀財宝をポッケに入れた。
女「私はこの素敵なスーツの胸元に500万を入れてもいいかしら?!」
アシェルは頷き、親指と人差し指スリスリ、ズボンを指さす。
クルクルクルクル・・・
女「最高っのクラブね?! お金ズボォ!!」
(さて、目的は達成した。続いてはバーカウンターに向かおう)
*
アシェルは観客にウィンクして、ホクホク顔でバーへ向かう。
バーカウンターでは好きな酒を注文することが出来る。
カウンターの上には自由に読める一冊の本がある。
【カウンターの本】 : 【乾杯のルーツ】
諸説ある。
グラス同士をぶつけ、跳ねた雫が相手のグラスに入ることで、
毒を盛っていないという証明になる、という説のほか、
古代ヨーロッパで乾杯は「神々や死者のために酒を飲む」という
宗教儀式から始まったといわれている説がある。
中世頃には、「悪魔祓い」の意味もあったようだ。
お酒に悪魔が宿ると考えられていて、
その悪魔に憑りつかれないように乾杯をして悪魔を祓ったらしい。
つまり、乾杯をしてから酒を飲むことで、
災いや呪いを祓うことにもつながるかもしれない。
【蜂蜜酒】
古代ケルト文化では、蜂蜜酒は「不死の飲み物」とされ、
ケルト神話と強い結び付きがあるといわれている。
古代アイルランド・ケルト人は、王を神聖視していたことから、
先王が失脚すると敬意を込めて蜂蜜酒の入った桶で溺死させ、祖先のもとに送ったようだ。マスター「さっきのダンス、最高でしたよ」
「ありがとう、こういう場所も楽しいんだね」
「ここには蜂蜜酒も置いてるかい」
マスター「それは嬉しいですねぇ。あいにく蜂蜜酒は切れておりまして…」
マスター「今日の深夜ごろ積み込みが行われるので、明日の朝になら飲めますね」
「それは残念だ、ならジントニックをいただくよ」
「マスターにも一杯。今日は一人でね、一緒に飲んでくれる?」
マスター「はい。あ、そういえば、紫色のローブと銀の仮面は最近この近辺に増えている。死体を集めているようですね。噂話ではあるが、何かの神を呼びたいらしいですよ」
「何かの神…...?」
マスター「私はそういったお話は詳しくないのですが、あそこのディーラーなら何か知ってるかもしれませんね」
「死体が増えているのも妙だな。あぁ、聞いてみる」
お代を机の上に置き、先ほどのカジノへと向かう。
「何か紫色のローブと銀の仮面とか、怪しい神について知ってるか・・・?」
ディーラー「紫色のローブと銀の仮面についてですか?最近街に現れまして、よく北西部の墓地から車を出しているところをみかけますねぇ。保存状態の美しい――特に胸に穴があいている死体を探しているようですぞ」
白波瀬の体にも胸に穴が開いていたことを思い出す。
「胸に穴が開いてるのは何か呪いとかなのかな。ディーラーは何か知ってる?」
ディーラー「ふぅむ…そうですな。神といえば腐肉食らいについてはそういった呪いの話を聞いたことがありますな。墓地の暗いところに集まって、死体を食べるらしいのです。人から腐肉食らいの化け物に変貌することがありまして。完全にそうなってしまったらもう戻れないらしんじゃな。でもまぁ体が腐っていても動くことが出来ますし、飢えや乾きが初期症状のようですじゃ。これらはきっと悪魔の仕業。それを祓うことができれば止められるのではないでしょうか」
「完全に化け物になる兆候って何かあったりするのか?」
ディーラー「もし患っているとしたら、おそらく3日程度で正気を失ってしまいますな」
(つまりは明日、もう少し前に罹ってたら今日か)
「ありがとう。良い話が聞けたよ」
*
(2階は何があるんだっけ)
2階にはガードマンが立っており、スタッフでないと通るのは難しいだろう。アシェルが華麗な勝ちを見せていることから、店側がちょっとしたお遊びを行なう。アシェルはガードマンに軽く肩を叩かれる。手元の金額(あるいは奇異な行動)から目を付けられたのだろうか。アシェルが振り向いた瞬間、周囲の雰囲気が変わる。
ガードマンもディーラーも、訪れている客も、一斉に探索者を見ているのだ。
まるで急に舞台の上に放り出されたかのような感覚がアシェルを襲うだろう。
探索者が僅かでも動こうとするのであれば、近くの客やスタッフが背に銃口を突き付ける。ここに白波瀬はいない。
アシェルの味方は此処に誰もいないのだ。(ここで慌てたら、不正な方法で入場したのがバレるかもな)
「どうかしました?」
アシェルはいたって平静を装う。すると、支配人が2階から手を叩きながら降りてきた。
仮面の男性「素晴らしい度胸だ」
勇敢な探索者を気に入り、かつ、白波瀬の名前を挙げて、「白波瀬のことが知りたければこちらへ」と、2階へ案内してくれるだろう。(とりあえず、向かうしかないな)
仮面の男性支配人に連れられて案内される場所がここ。
支配人が扉を開けると、中には仮面の男が待っていた。
仮面の男は探索者をソファに座るよう促し、先ほどの非礼を詫びると同時によかったらと黄金の酒をすすめてくる。仮面の男性「安心して。僕は君のこともアレンのことも気に入っているから、殺したりしないよ」
「では単刀直入に聞きますが、目的は何ですか?」
仮面の男性「君も何だか具合が悪そうだったから、解毒作用かな」
(悪い人ではないのか…?)
ゴクリとお酒に口をつける。
仮面の男性「さぁ、グラスを空にしてから、お話を始めよう!」
一口飲んだだけで、何処か気だるさが抜けていくような感じがする。
グビグビグビー
「さぁ、話しよう」
アシェルがグラスを空にすると、以下のステータスの変化が起きる。
・本シナリオ中のみ、探索者のPOW+1
飲み終わった後、体調が少しマシになる。また、下記のような情報を共有してくれる。
仮面の男性「ちなみにさっきの君に注目したイベント。あれは会員が不適合な場合行なわれているよ。何か理由があって、ここに来たんだね。これがクラブ・アンリアルの君専用のカード」
「アレンのこと、知ってるのか?」(仮面の男がアレンと下呼びするので、張り合ってみる)
仮面の男性「うん、お待ちかね。アレンについて。3日前に訪れ、大儲けしていた彼。出禁にしてあげたいほどに。あまりの強運と勢いの良い賭け方に興味がわき、同席させてもらった。少しだけ意地悪をしたら負けたものの、意地悪自体は見抜いたようだった。そこも含めて自分は大層気に入った。アレンが店から出た後、銃声が聞こえた。追ったところ、大層困っていた様子だった。自分も最近“困っていること”があった。だからアレンと取引をした。」
仮面の男性「アレンが何を差し出したかは秘密。自分からは夜明けまでに化物の討伐を頼み、それに使えるであろう本を与えた。僕が困っているのは、北西部の墓地で怪しい儀式を行っているものがいる。どうやら何か化物を呼ぶらしい。儀式の邪魔をしてもキリがない。化け物自体を退治してほしい。って内容だよ」
「夜明けって毎夜?それとも今日?」
仮面の男性「今日、日が昇るまで」
仮面の男性「あぁ、アレンに与えた本についてもお話するね。生と死を扱う呪術本の一部を貸し与えた。但しその本は読み解けば、呪いを被ってしまう。おそらく3日程度で正気を失ってしまうだろう。」
「呪い・・・」
仮面の男性「最後に、化け物について本来は生きている人間には手出ししない。温厚だと言われている。ただ……と言いよどむ。」→<必要:交渉系技能>
「何か言えない理由があるのか…?」(引き出しがないか試みる)
仮面の男性「ううん、楽しんでいるんだよ」
仮面の男性「君がどんな風に行動するのか」
(楽しんでる…こいつは度胸を好むと言っていた)
(1D100<=45) > 14 > STR成功
机バン!!!「教えろ!」
仮面の男性「あっはっはww」
仮面の男性「相手の趣向にそって、叶えようとする。アレンとぴったりだねぇ。まぁ。焦らすほどの情報でもないかもしれないけれど」
仮面の男性「神の招来というものは本来時間をかけ、準備をして行なうもの。必要な手順を飛ばすというのは、それだけ変化が起きやすい。器を用意してそれにいれるのであれば、器にもよるだろうし、供物がないのであれば振舞いがかわるものもいる。いくら優しい人間でも、誕生日パーティーだと呼び出されたのに、犬小屋にいれられて頭から水をかけられたら怒るだろう?」
と笑う。
仮面の男性「もし核を壊すのであれば、魔力を込めた銃弾より、さらにもう一段階強い魔術的な弾丸が必要ではないか。ってとこかな」
仮面の男性「最後におさらいをしようか。僕がいえるのは、明日の朝までに墓地に行って、化物を倒し、蜂蜜酒でどうにかする」
支配人が仮面の男へ「そろそろお時間です」と耳打ちする。
仮面の男性仮面の男は丁寧にもてなせないことを詫び、次はぜひ二人でまた楽しいことを見せてほしいと話す。アシェルを置いて、支配人と二人で出て行ってしまうだろう。去り際に探索者の肩を軽くたたく。
仮面の男性「――君が飲みほした、あの酒には僕からの幸運の加護を付けておいた」
「あの子のような、多少の無茶には耐えらえるように。君が為したいことは為せるように」
「だからこんなつまらないところで死なないでおくれよ」
と伝え、これ見よがしに一枚の紙を落としていく。
アシェルはパラリとその紙を手に取る。
【酒の搬出予定について】 :
神の美酒の搬出予定について記載されているようだ。
日時:●月×日(シナリオ内で明日)、早朝~9時
場所:北部 中央大橋下の港にて積載予定
備考:大量の酒の積み下ろしのため、中央大橋およびその付近の道路を夜明けまで封鎖。それを読んで、北西部墓地から中央大橋はそこまで離れていないことに気が付く。
「今夜までに呪いを解かなくてはいけない」
「敵は蜂蜜酒で溺死させると」
「探索してよかったな、色々見えてきた」
「さて、あの手荷物の漢に戻るか」
イベント:幻覚疲れていたせいか、それとも酒のせいか、探索者の視界は急にぐらつく。そのまま意識を失うだろう。探索者は、白波瀬と視界や感覚を共有し、以下のような幻覚を見る。
そこは墓地のようだった。ローブの男たちに引きずられていく。
奥の奥、洞窟の中まで。――そうだ、これは"白波瀬"の視界だ。
視界が暗転する。
次に目の前にあったのは、死体だった。
手がぶつ切りにされた肉へと伸びる。喉がカラカラと乾く。
何かに抵抗するように伸ばす手は震えていた。
けれど耐えられなかったのだろうか。
指が、屍肉へと伸びる。見知らぬ死体のその手を抱え、愛おしそうに握り、口元へと近づける。視界が暗転する。
ガリ、と口の中一杯に血の味が広がった。
頬をひとすじ、暖かいものが流れる感覚がした。<聞き耳> (1D100<=65) > 15 > 成功
「……こんなの食べたくない」
(アレン......)
ふと、気が付けば眠っていたようだ。
夢だというのにまるで体験しているようにも思えた。(ここで気をやってる場合じゃない、はやく助けに行かないと)
手荷物の漢「はい、指定された荷物ね」
1つは、手荷物。これは変装用の紫色のローブと銀の仮面。
もう一つは車の中に積んである死体。
手荷物の漢「最近は怪しい銀の仮面の奴らが死体を買い取るせいで入手が困難だったっぞ」
「それでも入手するとは、なかなか腕が立つな」
「また頼むよ、それじゃ」
(ディーラーが紫色のローブと銀の仮面は、よく北西部の墓地から車を出していると言っていた。変装したら、墓地まで車を飛ばそう)
-
4.巨大墓地
郊外にある巨大墓地。100年以上の歴史を持つようで、一部はかなり古めかしい。紫ローブに銀仮面の連中が巨大な墓地の奥へと進んでいる。あまりにも人が多すぎて、単身で今突撃するのは無駄死にとしか思えないだろう。
こっそりと尾行をしていくのであれば<DEX*5>、<忍び歩き>など(1D100<=60) > 3 > DEX 成功
奥の方には確かに夢と同じように洞窟があることがわかる。
少し進めばやたら血と臓物の据えた匂いがする。
誰も、いないのだ。
さらに奥へ進んでいくと、カタコンベの如く壁面いっぱいに骸骨が埋め込まれた空洞へと出る。
そこで、座り込んでいる白波瀬の姿を見つけることが出来た。
白波瀬の周囲には死体が散乱している。
「白波瀬……?」
納骨所壁面いっぱいに骸骨が埋め込まれた大きな空洞の下。
大量に散らばっているのは、人間の体だった。
10人、いや20人分、それとももっと多いだろうか?
紫のローブと銀の仮面をつけたものが多いものの、それ以外にも数え切れないほどの死体がそこに散乱していた。
腕部や脚部だけの物、臓物をまき散らしたもの。死体でできた山のようだった。地面には魔法陣が刻まれている。
貴方が声をかけ、白波瀬に近づいた瞬間。
魔法陣に色が灯る。鮮血が魔法陣を走り、ワインのように宙に踊る。
白波瀬の目が見開かれる。
とりつかれたかのように彼の唇が知らない音で、知らない言葉を紡いでいく。
それは、ほんの一瞬のことだった。
死体たちが折り重なり、屈折し、衝突し。
ミキサーでハンバーグをかき混ぜたかのように肉片と骨片をばらまきながら、黒に染まっていく。
鉄臭さと腐臭が漂っていく。
その中心にいた白波瀬が押しつぶされ、飲み込まれていく。
あたりに闇が満ち、一瞬で冷え切った空気が満ちる。
変貌している。飲みかけられている。白波瀬はその不気味な死体の塊の中に取り込まれたままだ。
彼の声が、捻じれながらもわずかに聞こえる。
それは探索者の名前を呼ぶ声ではなく。
見知らぬ神を讃える声だった。
――本当に白波瀬が神に呑まれてしまったら。
記述通りであれば、白波瀬は二度と返ることはないだろう。
その前に、引きはがさなければいけない。
まずは核となる白波瀬を引きずり出すところからだ。銀弾の数発くれてやれば落ち着くだろうか。
「とりあえず、銃を撃つぞ」
アシェルが 敵の攻撃を回避しながら、白波瀬からもらった銃で何発か銀弾を撃ち込んでいけば、影がぶるりと身悶えた。
蠢き震えながら、触腕は上部へと手繰り寄せ集まる。
天井近くまでもちあげられた頭部のような部分からずるりと白波瀬の体がむき出しになる。
白波瀬の胸元は腐食し、心臓から黒い薔薇が咲いているようにめくれあがっていた。
虚ろにどこかを見て、あなた以外の名前を呼び、称えていた白波瀬が小さく息を呑む。その喉元が何かを飲みこむようにごくりと震えた。
白波瀬は力が入らないのか震える手で影から這い出るように、その肉塊を掴むと、たしかにあなたを見た。
あなたに向けて信頼の目で見つめている。
言葉なんてなくともそこにあるのはあなたへの信頼だった。
――今ならば、この一瞬ならば。
白波瀬に向けて発砲することができるかもしれない。
(白波瀬が撃てって言っているような気がする…)
魔力を込めた、たった一つの銃弾入れて銃を構える。
――パン!
乾いた銃声が響く。
一発の弾丸はまっすぐに白波瀬の心臓を撃ち抜いた。
吸い込まれた胸部から、薔薇が舞うように、血しぶきが迸る。
その瞬間、白波瀬を蝕むように喰らっていた影が崩壊していく。
屍の塊たちがぼとぼとと落ちていく。
ルビーの瞳の焦点が結ばれて、しっかりと貴方を見る。
そこには貴方しか映っていなかった。
彼の唇が動く。
「アシェル……!」
まっすぐに。貴方の中へと、落ちていく。
受け止めるのであれば<DEX*5>「アレン…!」 (1D100<=60) > 34 > 成功
床にたたきつけられることなく、華麗に受け止めることが出来た。
「大丈夫か」(久しぶりに声、聞いた...)
「うん…!」
そうして。抱き留めた瞬間。
ぞわりと背筋に寒気が走った。心臓が強く脈打った。
ごふり、と口から血が零れ、胸元が焼けるように熱かった
鮮血がびしゃびしゃと白波瀬にも降りかかる。
「な、、、」
「跳ね返って…...」
そうして貴方の意識は、急速に暗転する。
・
・
・
思い出す。3日前、自分は白波瀬と街に出ていた。
白波瀬が歩いていた場所は治安の悪い一角だった。
そこに貴方が居合わせたことが、偶然で、幸運で、不運だったのかもしれない。
白波瀬が狙撃されようとしていたいことに気が付いたのはあなただけだった。
視線の先に銃口が見えたとき、何よりも先に体が動いていた。
彼を突き飛ばして、自分の胸を弾丸が貫いて。
白波瀬の口が何かを紡ぐ。
言葉はまるで祈りのようだった。懇願だった。悲痛な願いだった。
彼は、あなたの額へ自分の額をこつりと合わせ、あなたの胸元へと銃口をあてる。
そっと触れるように唇を重ねてから呟く。「――僕のでしょ、帰って来てよ」「馬鹿ぁ」
死んでいるはずだ。死んでいるのだから、痛みなんてないはずなのに。
体全体に激痛が走り。
”あなた”という肉塊に撃ち込まれた弾丸が、彼と貴方を痛みでもって無理矢理つなぎとめるように、自らの魂を引き戻す。
傷は跳ね返るように、すべて白波瀬のもとへ。
・
・
・そうだ。思い出す。思い出した。
――自分は、3日前に。彼を庇って死んだのだ。
自身の死と再生を自覚した貴方は SAN値チェック (1D100<=52) > 63 > 失敗
アシェル SAN52 → 46
「……アシェル」
泥のような意識が急速に浮上する。
何度も。何度も。何度も。
繰り返して、貴方を呼ぶ声がする。
ふと、目を開ければ、そこにいたのは白波瀬だった。
と、同時に急速な飢餓感が沸いてくる。
喉が渇く。体が重い。血が欲しい。
腐ってどろどろになった肉が。人の肉が食べたい。
柔い肌を裂いて、歯を突き立てて噛みちぎりたい。
<POW*5> (1D100<=55) > 45 > 成功
アシェルの理性の高さから欲をある程度抑え込むことが出来た。
「ふぅー……」
「俺は一度死んでたんだな」
「そんな現実は許さないけどね」
当たりを見渡してみると、どうやら洞窟の横穴のようだった。
「ここは?」
「近くに横穴があってね、アシェル休めるかなぁって」
隠し部屋だろうか。
雰囲気から長く使われていなさそうだ。
簡素な机やいす、寝具など生活していた様子が伺える。
ベッドの下にひとつ手帳が落ちているようだ。
「助かった。。怪物は去ったのか?」
「いや、まだ生きてると思うし、怒ってるから探してるんじゃないかな~?」
「まだ生きてるのか。。。」
「ふふ、アシェルめっちゃカッコ良かったね」
「そうだ、御口開けて?」
アシェルは「あー」口をかぱっと開ける。
「はぁい、美味しいご飯ですよ~♡」
そう言って彼は迷わず自分の手首をナイフで切って、あなたの口中へその血を奉げるだろう。
少しだけ、飢えが落ち着く。
少しだけ、身体が動かせそうだ。
「白波瀬も俺と同じ状態?」(俺の血も飲むかな)
「ううん、アシェルが僕が引き受けた呪いをまた奪い返しちゃったみたいだね」
「そうか、なら安心した」
手帳を手に取る。
手帳
ここの住人だったのだろうか?共有メモ【手帳】
死、というものをうまく保存することはできないだろうか。
かつてジュリエットがそうしたような。すべてを止めることが出来るもの。
私は浅黒い肌の男から、特別な蜂蜜酒のレシピをもらった。
これを用意することが出来れば、死を保存することができるかもしれない。
というのも、この酒はただの酒ではない。
この酒は、神の酒だ。
呪いも、魂も、傷も。
超越し、止めることが出来る。
まさに、聖なる酒といえるのではないだろうか。
ただし、私のような一介の研究者では材料が用意しきれない。どうすれば――。
この手帳を見た後に、白波瀬が生きている場合は白波瀬から伝える形で、
白波瀬が死んでいる場合は<アイデア>で以下の内容がわかる。「まぁ、アシェルならもう理解しているよね。夜明け前の数時間、蜂蜜酒を運び出す話。それから、蜂蜜酒については王(神)を溺死させるという逸話。この酒を思いっきりあの化物にぶつけて沈めるのが今回の最終目標だよ」
(そうか。必死で気付かなかったけど、白波瀬が死んでた可能性もあったのか)
「酒に沈めるとは、難しそうな話だな。誘い込めばいいだろうか」
(生きてるのを実感するために抱きしめたい)
「ふふ、神様はお怒りだからねぇ。まぁ……」
あたりがガラガラと崩れだす。急いで逃げなければ――。
「追ってくるよね!」
「だよな!車まで逃げるぞ!」
-
5.祝杯
外に出ると、遠くから薄く朝日が昇ってくるのが見えた。
夜明けだ。夜明けが近い。以下、【モルディギアンからの逃走】が発生する。
いきなりエンジンを全快にして、軽くエンストしてしまう。
「っひゅー! 威嚇射撃するつもりが当たっちゃった!」
しかし、白波瀬の銃が魔物を捉え、遅れをカバーした。
アシェル 車 (1D100<=75) > 74 > 成功
「調子上がってきた!」
アシェルの運転はまるで針に糸を通すようなハンドルさばき、アレンも楽しそうに笑った。 モルディギアン触手のような手がたたきつけたが、それも余裕ですり抜けた。
「そろそろ目的地だ」
「停泊してて今船に乗せる作業している頃だから、きっと橋近くには御酒があるよ」
貴方は橋の方へ――ハンドルを切り。アクセルを踏み込む。
橋の向こう側には行き止まりのように大量の酒樽が船に積まれるのを今か今かと待っていた。
その傍には目立つ高級車があり、ボンネットに仮面の男が座っている。
クラブで出会った男だ。
あなたたちのエンジン音に気付くと、彼は煙草の煙をゆっくりと吐き出した。
白波瀬が笑う。何かを思いついたのか、とびっきりの笑顔で。
こういうときの彼の笑顔はろくでもないことを貴方は知っている。
「撃つ? 突っ込む? 他の方法でもいいよ、ハニー」
「もちろん、突っ込む!」
アシェルもどうやら頭のネジが外れてきたらしい。
「おっけ~い! 祝杯にしよう!」
白波瀬がひょい、と持ってきたのはトランクケースだった。いつの間に積まれていたのだろうか。
彼はそれを思いっきり――仮面の男のほうへと勢いをつけて投げる。
「この御酒、全部頂戴!」
放物線を描き、彼の方へ飛んでいくその鞄の留め金が朝日にキラリと輝いた。
白波瀬があなたを支えにしながら、銃口を鞄へ向ける。
軽い発砲音の後、コインをはじくように
留め金が撃ちぬかれた。
二枚貝が口を開けるように、トランクケースが開く。
中から出てきたのは札束だ。大量の札束が、ばらばらとフラワーシャワーのように空中に舞う。
花びらのようなそれを横目に、白波瀬が酒樽へ何発も銃弾を撃ち込んでいく。
そのままあなたも思いっきりアクセルを踏み、酒樽へと突っ込むだろう。
眩しい金色の祝砲の中、貴方たちの車が朝日をうけて橋上を疾走する。
清め代わりの蜂蜜酒をブチ浴びた化物はまさに酒におぼれるように崩れていく。
仮面の男性探索者たちの一部始終を見ていた仮面の男は愉しそうに笑って、「これは僕からの奢りだ! 君たちの呪いを解く最後の鍵になるだろう!」とお酒を1瓶投げてくれる。
「あっ、僕のプレゼント、開けてみて」
「そうだった」
アシェル・クラーク座席にあるプレゼントを開ける。
ペアグラスのようだ。こんなに飛んだり跳ねたりしたのに、割れていない。
盃を合わせるならきっといい音が鳴るだろう。
「アレン、乾杯しようか」
「ふふ、この世で一番素敵」
乾杯の儀式を済ませ、蜂蜜酒を飲むと、不思議と体が軽くなり、飢餓感も抑えられていく。
胸元にもとくに傷は残っていない。呪いが解けたのだろうか。
アシェルはグラスを置き、アレンを抱きしめる。
「アレンが生きててよかった」
「アシェルなら絶対に助けに来てくれるって分かってたよ」
【ED-A】
生還報酬:SAN +1d5イメージソング
妹 This Hell
姉 新世界