第1章「レヴェリア」
[雑談] yulai : 俺!?(主人公)
[雑談] 猫りんご : あ、うん///
忘年会帰りの冬の夜だった。
慣れない人付き合いに胸の奥がじんわりと疲れている。
冷たい夜風が頬を撫でる。
人通りはまばらで、まるで世界から“人の気配”だけが抜け落ちたようだ。
あなたたちは肩を並べ、家路を歩いていた。

yulai :
世の中において忘年会ほど無意味なものないよねw
「昔の価値観そのまま引き継いだ時代遅れでサーセン」って言ってから始めて欲しいわww
普通に生きてたら、職場だけで信頼関係というのは築けるんだわw
コミュニケーションの尻ぬぐいさすなよww(※個人の感想です)
猫りんご :
忘年会をコミュニケーションの尻ぬぐいと表現するの尖りすぎているw
ほんまよな、まぁ俺たちは途中退場なんだが・・・ww
yulai :
☝(・_・☝三☝・_・)☝
猫りんご :
でも疲れたな。今日ずっと気を遣ってたわ
yulai :
ね
ふと、視界の端で金色の光が揺れた。
街灯の下──そこに、古びた金色の切符が宙に浮いていた。
触れれば崩れそうなのに、不思議な存在感だけがある。
まるで――「あなたたちを待っていた」 みたいに
どうしますか?

yulai :
なんかのイベントかな? 何時もと違う道でなんか撮影してるのかね。現代版チャリチョコみたいな
猫りんご :
本当だね。でも撮影だとしたらあたりに人がいないな……。もしかしてカメラとかあったり? チケットが宙に浮いてるのも不思議だし。ドッキリなのか?
あ、チケットに「時間は経過しません」って書いてある。意味深だね
yulai :
じゃあ、上着で手を隠しつつ、貰っときますかw
切符を掴んだ瞬間、世界が軋んだ。
景色が歪み、街の音が遠ざかっていく。
気づけば二人は、見知らぬ駅のホームに立っていた。

蒸気の白煙。金属の軋む音。
ホームへ滑り込んできたのは、黒鉄の蒸気機関車。
呆然とする二人をよそに汽笛が鳴り、扉が開く。
まるで「乗れ」と言わんばかりに。
すると、金色のチケットが光り出す。
そしてその光は二人を取り囲んだ。
yulai :
どわーーー!?

気づいたら、二人は列車の中にいた。
赤いビロードの座席。真鍮のランプ。
レールは空へと続いている。
yulai :
星が落ちてる
猫りんご :
……うちはワクワクしてるよ
yulai :
え?! もう、覚悟、決まっちまってんだ……
猫りんご :
一人だったら心配するかもだけど、結局君がいればどこでも楽しいからさ
石畳が湿り、蒸気がゆっくりと立ち上る。
珈琲の香りが風に混じり、遠くで古いジャズが揺れていた。
飛空艇のエンジン音と、空中を走る路面電車。
夜空では巨大な歯車が静かに回り続けている。
その街の名は――レヴェリア。夢と現実の境界に存在する夜の街だった。

yulai :
すご~飛空艇もある
猫りんご :
はぇ~、なんかすごい街に来ちゃったね
yulai :
レベーラ? 滅茶苦茶お金かけたテーマパーク……にしてはもう異世界レベルだよね
だって目に見える景色全部が日本と違うし、そもそも空飛ぶ列車だったもんね
猫りんご :
そうだよね……
yulai :
おっと、一文無しだw なんか暮らしのために見て回らないとな
そんなことを話していると一人の女性が近づいてくる。
マダム :
ここは“社会から外れた者達の更生施設”だって言われてるのよ
……でもね、本当のところは誰にも分からないの
声をかけてきたのは赤いドレスの女だった。
黒髪に深紅の口紅。片目を隠す赤い帽子。
煙管から紫煙を燻らせながら、妖艶に笑う。

yulai :
(誰が社不)
マダム :
私はマダム。この街で宿をやってるの
yulai :
この世界全体が施設なんですか?
マダム :
施設っていうのも言葉のあやね。この"世界"がそういう施設みたいねって言われてるのよ。誰がいったか分からないけれど。
yulai :
お姉さんは、この列車が降りてくるのを見ては声を掛けてるんですか?
マダム :
ふふ、後ろを見てごらんなさい
列車はティンカーベルのような金色の粉になって消えている。※画像ではあるが
マダム :
普段はこの列車って来ないのよ、だから私は珍しくて見に来たのよね
[雑談] yulai : 導入の時の会話はからずとも社不過ぎて草
[雑談] yulai : 来るべくしてきてるやん
マダム :
私は人助けが好きなの。だから、この世界に来たばかりだったりとか、困ってる人がいたら声をかけてるのよ
yulai :
(なるほど、宇宙船が降りてきて ここは地球です って声かけてきたようなものか)
yulai :
普段はってことは、たまに来るんですか?
マダム :
列車はこの場所に来ないわね。ただ人については私もそうだったんだけど、いつの間にかこの世界に来ていたわ。現実世界から変わり者ばかりこの世界に集うから"社会から外れた者達の更生施設"って呼ばれてるのよね。ふと目が覚めたらこの世界に来ていた人が多いわ
yulai :
(元の世界を知っているのか)
yulai :
ほえー。それでは、宿屋を経営してるそうですが、ここに来たばかりの方は何処で働くとかご存じですか?(とりあえずお金ないと日々過ごせないし、本屋とかインターネットとか情報を調べるツールもないもんね)
マダム :
そうそう、それが気になるわよね。はい。貴方たちは二三四番街、三十二階ね。レヴェリアの建物は縦に長いの。空が近いほど家賃も高いわ。……まぁ、貴方たちは“招待客”みたいだから特別だけど
彼女は金のチケットを見ながら妖艶に微笑む。すると金のチケットは光り、貴方たちの腕輪となる。そこにはFREEとデジタルで表示してある。
マダム :
ここでの基本的な買い物はそれで自由に出来るみたいね
yulai :
こんなにお世話好きなのに、社会不適合者が集う世界って認識ももっているということは、何か自覚があるんですか? 人を殺したとか……(どれくらいの人物が街にいるのかな?)
マダム :
私? うーん、まぁ誰よりもお節介っていう自覚はあるわね。社会から外れた者って常識から外れてるって意味だと私は捉えてるわ
その時だった。視界の端を白い何かが横切る。
ルイ :
こんばんは!
ふわふわと空中を浮遊する小型の機械。猫のような耳、丸い尾、白磁のような装甲。
空中でぴたりと停止すると、猫みたいに尻尾を揺らした。
ルイ :
僕は余白保全法の管理補助AI、“ルイ”です!
本日より貴方たちの生活をサポートします!

ルイは得意げに胸を張っている。
マダムが煙を吐きながら笑った。
マダム :
あぁ、“余白保全法”っていうのはこの世界の法律よ
猫りんご :
法律?
マダム :
人は効率だけでは幸福になれない――そう考えて誰かが作った法律。一日のうち数時間、“何もしない時間”を義務化してるの。仕事も、生産も、勉強も禁止。ただ珈琲を飲んだり、散歩したり、誰かと話したりするだけ
ルイ :
レヴェリアでは“時間を短縮する技術”より、“誰かと時間を共有する技術”が発達したんです!だから飛空艇やAIはあるのに、黒電話や手紙文化が残ってるんですよ!この世界では“不便”は浪費ではなく『記憶を作る余白』なんです!
ルイは二人の前へ出る。
ルイ :
では宿まで案内します!徒歩三十分です!
でも、その途中で素敵な出会いがあるかもしれませんよ!
マダム :
良い旅を。……喫茶店もやってるから、暇になったら遊びに来てちょうだい
yulai :
ほえー、なんか気付かず違反する人とか居ないのかな?
よし、何もない時間! 本読む! それ、勉強ですよね! みたいな……
自分より位の高い人と話すことを勉強と思ってる人も居るし……でも結構緩いのかな?
マダム :
貴方の心が休まってて、満ちるものであれば何でもいいのよ
yulai :
ほほー嫌なことをしないってことか
ルイ :
僕がストレス値とか脳内物質の分泌を計測します! それで危険だと判断したら強制的に中止してもらいますからね!
yulai :
お客さんということなら何時かは帰れそうだね。でもなんのためのゲストなんだろう?
猫りんご :
ほんまよね、うちに何か出来るとは思えんが……
ルイに案内されながら石畳の坂道を歩く。街路には小さな店が並んでいた。
時計屋。古書店。珈琲豆専門店。
どの店もどこか懐かしく、けれど現実には存在しない奇妙さを纏っている。
yulai :
そっか、技術が進んでいるけど、残るものは残ってるからちょっと古い感じもするんだね
猫りんご :
ちょっとあたたかい雰囲気も残されてるのはそのためか
ここからホテルまで三十分ほど、双子はルイと一緒に街を歩くことになる。
気になることがあれば、ルイへ自由に質問して構いません。
yulai :
気になることかぁ~何処まで知ってるのかな?
・この世界の目的
・どういった人が集められるのか
・自分たちが招待された理由
ここらへんが気になるけど、もっと上位的な階級の人しか分からないって可能性もありそうだよね。
ルイ :
とても哲学的な質問ですね。地球に目的があるのか、どんな人がここに集められているのか、人はなぜ生きているのか……そういうことが気になるタイプでしょうか。
ただ、あなたが感じている通り、この世界にはいくつかの“法則”があります。ここに来る人たちは、たいてい社会とうまく馴染めなかった記憶を抱えていることが多いんです。僕が知っていることはすべてお伝えしますが、今言えるのはこのくらいですね。
yulai :
そっかぁ。神が用意した別世界のエデンみたいな感じなのかね?(じゃあ社会にそもそも交わらなくてもすむ世界になってるのかな? それにしても、この世界は関わりを大事にしているというお話もあったけれど、色んな社会実験もしているのかもな……)
yulai :
ルイちゃんは1家族に一台ってわけでもなさそうやね。これ連れてる人もあまりいないし、法律について熟知したら機関に戻っていくの?
ルイ :
そうですね! 実体があるとめんどうな人も多いので、熟知したら小型端末だったりデータとして保存されたりしています
yulai :
ほえーそしたら俺たちは双子だから1台で皆は一人1台なのかな? 一世帯一台を色んな端末にインストールする感じ?
ルイ :
はい! 人それぞれに合ったサポートAIがいるんです。それに僕は分身もできますから、あなたたち二人にピッタリの一台なんですよ!
yulai :
たしかに、一緒の子持ってたら嬉しいもんね! しっかりニーズにぴったりなんだ。
……君は何か気になることある?
猫りんご :
ホテルまであとどれくらい?
ルイ :
あと3分ですね!

yulai :
じゃ、たのしんじゃいますか……海外旅行みたいなものだよね
猫りんご :
そうだね、せっかくの旅行だって考えたら良いか。機関車が消えたから、帰る方法はちょっと気になるけど

宿の下へ辿り着いた頃には、心地よい疲労感が広がっていた。
見上げれば、空へ伸びる高層建築。金色の外階段。無数の窓。
yulai :
でけぇ~
猫りんご :
さすが37階もあるホテルだわ
その一角だけが、やけに騒がしい。
ルカ・ノワール :
――だから『ファミリーゲーム』がオススメなんだって!
離れ離れになった双子が再会する映画でさぁ!
スマホを持った青年が一人、配信をしていた。長いコートに無造作な黒髪。
気怠げなのに、妙に人を惹きつける顔。

yulai :
(この人通りのある場所で配信!?)
(スタンミさんみたいな……?)
猫りんごは彼に見覚えがあります。
現実世界で突然活動休止した、大人気配信者――
ルカ・ノワールその人です。
[雑談] yulai : 誰? w
[雑談] 猫りんご : ごめんwwww
猫りんご :
まってまって、あれルカ君じゃん……!
[雑談] yulai : いや、だれ?? www
[雑談] 猫りんご : 趣味ブチこんでごめん
その時。青年――ルカがこちらに気づいた。彼は慌てて配信へ向き直る。
ルカ・ノワール :
はい、今日はここまで! みんなおやすみ。また明日な――良い残灯を
配信が切れる。静寂。
yulai :
(はやく部屋行こうぜ……)
猫りんご :
(えっでもサイン欲しい……せっかく会えたんだし)
yulai :
(知ってるの?)
猫りんご :
(あ、うん1年前くらいに辞めちゃった配信者)
yulai :
(休止するほど嫌だったけれど、この世界ではもう一度やってるんだ)
猫りんご :
(本当だね、どうしてもう1回やってるんだろう)
彼はこちらへ歩いてきた。わざとらしく顎に手を当てる。
ルカ・ノワール :
見ない顔だね、お嬢さん。あー、1回こういうの言ってみたかったんだよな。今日来たばっか? へぇ、しかも双子。珍しいな。……さっき言ってた“残灯”って意味わかる?
距離感が妙に近い。【心理学】【知覚】など
猫りんご :
(なんか人懐っこいというより、沈黙を怖がっているような?【心理学】)
yulai :
(沈黙を怖がってる? どうする? 逆に黙って見る‥‥?)
二人が双子特有のテレパシーで会話をしていると、ルカは空白を埋めるように話し出す。
ルカ・ノワール :
大切な人との会話が終わった後も、胸の奥に残り続ける灯りのこと。寂しいんだけど、あったかいんだよな。……俺、この言葉好きなんだ
yulai :
(これずっと話してたら面白いな)
ルカ・ノワール :
俺はルカ・ノワール。よろしく。最近、ここら辺にも『堕人(おちびと)』が出てるらしいからさ、気をつけろよ? あ、その顔。もしかして堕人をご存じない? まぁ、簡単に言えば“心が擦り切れた人間の成れ果て”だよ。最初は普通なんだ。ちょっと眠れなくなったり、同じことばっか考えるようになったり。ただ心が現実に戻れなくなると身体まで変わっていく。……それが堕人。もとは人間だったことを知ってれば救いたいって思うよな。でも実際、人には戻れない。だから皆、“堕ちないように生きる”しかないんだ。だからこの街は余白を大事にしてる。誰かと飯食ったり。どうでもいい話をしたり。一緒に夜景見たり。そういう時間がないと、人間って自分が何のために生きてるのかわかんなくなるから……外階段、上まで登るのしんどいだろ? ほら、喋りながらならすぐだって。付き合ってよ
ルカは話題を繋いで話を長引かせようとしている。
yulai :
(まぁ、ついていくか サイン貰ったら?)
流石に可哀そうになり促す。
猫りんご :
(あ、たしかに! でもここで貰ったサインって持ち帰れるのか? まぁいっか)
yulai :
(じゃあ服にして貰ったら? 流石に戻った時すっぽんぽんとはならないんじゃない?)
猫りんご :
(名案だね!そうする)
猫りんご :
あの、ファンだったんです! サインを貰っても? 服に書いて貰ってもいいですか?
ルカ・ノワール :
もちろん、もちろん。俺もサイン書けるの嬉しいよ。双子ってテレパシーとか使えるの? こんな質問よくされてるか。でも二人の表情を見てると、何も話してないのに心が通じ合ってるみたいでさ
yulai :
(にしても、俺たちは招待客なので戻るとして、この人は戻らないとした場合、でも時間経過はしてないから……どうなるんだ?)
猫りんご :
(同じ時間に戻る際の記憶が濃縮されるだけ?とか)
yulai :
(あ、この人が一生戻らないという選択してたら、その世界から消えてるのかもね)
猫りんご :
(そうなるのかも)
yulai :
(この世界の服お洒落だね。服あんま興味ないけど見て回っても良いな)
(知ってる人も居ないし、なんでも着放題だよね)
猫りんご :
(あ、たしかに! いいねぇ~明日お店を回ってく?)
ルカ・ノワール :
二人は明日何する予定?今日来たばかりなんでしょ。街を案内しようか? おーい、二人で目配せしてるけど本当に会話してない? ……ここからはエレベーターだな。それじゃ俺はこの階だから、おやすみ
そう言って手を振ると、ルカは「あ」と言って振り返る。
ルカ・ノワール :
元の世界に戻りたい?
yulai :
もしかしてずっと喋らないといけない呪いにかかってたりするんですか……?
ルカ・ノワール :
呪い……!? いや、そんなつもりは……喋りすぎた?
……というか、そっちも俺の質問に答えられない呪いにかかってるわけ?
質問全部無視してない?
yulai :
普通突然話しかけられたら、愛想笑いして避けるのが日本人ですよ
ルカ・ノワール :
そりゃそうだよな。でも妹さんは俺のこと知ってるみたいだったし、少し話したくなっちゃったわけよ。そっちはこちらに踏み込んでくるのに、こちらからは踏み込ませないなんて変なやつ。一応褒め言葉だぞ……初対面でこんな言い合いしないからな
猫りんご :
あの、元の世界に戻りたい? って……帰れる方法知ってるんですか?
ルカ・ノワール :
いや……もし、知りたいなら、何か思いついたら伝えようかなと思っただけ。疲れただろ、長々と話しちゃってごめんな。それじゃおやすみ、良い残灯を
yulai :
CCB<=50 【心理学】 (1D100<=50) > 25 > 成功
心当たりはあるが、確信は持てなかったので部屋に戻ったら改めて調べてみようと思っているみたいだ。
yulai :
(ふぅ~社不でごめんね。部屋はいろっか)
二人は金色の柵に囲まれたエレベーターへ乗り込む。
ゆっくり。ゆっくり。
街の灯りが下へ遠ざかっていく。
三十二階。
マダムから渡された鍵を開けると、部屋には二人用のベッド、真鍮ランプ、古い蓄音機、そして大きな窓があった。

猫りんご :
わぁ~綺麗な部屋だね、ここからレヴェリアが一望できるよ!
yulai :
綺麗ねぇ、高い程家賃が高いんだっけ。そこは高層ビルと変わらないんだね
猫りんご :
本当だね、でもこの綺麗な景色を見れば納得かも。今日からここで眠ることになるのか~、明日はまず洋服を見てって感じか?
yulai :
まぁこの金の腕輪あるし、都度宿泊まってってのも出来そうだね
猫りんご :
出来そう、出来そう。
うちらを連れて来てくれた蒸気機関車も消えちゃったけどさ、ガチでどうやって帰ればいいんだろうね。なんでうちらはこの世界に来たんだろう
yulai :
う~ん、今のところ聞くからにはあまり意味は無いのかもって思ったけど‥‥みんな結構ここ気に入っている感じだったし、宝くじに当たったてきな?
猫りんご :
休息が貰えるなんてラッキーって思うか。ふわぁ~それじゃ、おやすみ、ね。
猫りんごはふかふかのベッドを手繰り寄せて丸くなる。
yulai :
あ、配信があるってことは、ここでも調べものが出来るって感じなのかな? 明日は身支度もしないとね
猫りんご :
ここで使えるもの、色々用意しようか
yulai :
ん///
yulaiは布団の上をくるくると四足で周りながら、良い場所が見つかったようでやがて体を沈める
猫りんご :
動物?
その夜、二人はどんなことをしようかと話し合いながら眠りにつく。
胸の奥に小さな温かな灯り──二人の胸にも“残灯”が灯っていた。
第2章「知りたいという願い」
レヴェリアの朝は夜よりも静かだった。
窓の外では蒸気機関車が星空の残り香を引きずりながら走り去っていく。
真鍮ランプの灯りは消えかけ、部屋には花の香りが微かに残っていた。
机の上には――見覚えのない拳銃が置かれている。

銃身は真鍮。中央には琥珀色の液体が満たされ、淡く呼吸するように光を放っていた。
ルイがふわりと浮かび、誇らしげに胸を張る。
ルイ :
おはようございます、お二方! 素晴らしい朝の余白を味わっていますか?
本日は支給品をお持ちしました! その名も『感情投射式保護拳銃(感情銃)』です。
最近は物騒になってきましたから堕人から身を護るために使ってください
yulai :
これは追尾弾になりますか!
ルイ :
これは実弾ではなく、撃ち手の『感情』を放つ銃です! あなたの性質によっては追尾弾になるかも知れませんね!
yulai :
能力ガチャか…! ルイちゃん、これ人に向かって撃つとどうなるの?
ルイ :
人間に対しては非殺傷ですので、そこはご安心ください
yulai :
誤射しても大丈夫なんだね
yulai :
これ、撃ち過ぎたら無感情になって鬱になるとかある?
ルイ :
感情を撃ち込むので、多少の疲労は感じるかもしれません。
“感情が減る”というよりは、発露した感情をそのまま相手に渡すイメージです。
たとえば怒りを撃ち込んだ場合、日常で怒ったあとに残るような、あの独特の疲労感に近いものを覚えるはずです。
yulai :
ひぇえ難しい……つまり無感情ではそもそも撃てないのかも?
ルイ :
そうなりますね!
yulai :
それなら余白を大事にするより、めっちゃ忙しくした方が激つよガンナーが登場しそうだよね
猫りんご :
笑う
yulai :
誰か社会を終わらせてくれーーーー!!!! ドーーーーン!!
ルイ :
堕人によっては怒りを受けて逆にパワーアップしてしまうこともあります。
だから大事なのは量より質です。
使いこなすにはちょっとしたテクニックが必要になるかもしれませんね。
二人が銃に触れた瞬間、胸の奥がカチリと鳴る。
まるで銃があなたの心の形を知っていたかのように、吸い付くように馴染む。
その時――コンコン、と部屋の扉が小気味よく鳴った。
ルカ・ノワール :
おーい、生きてるかー
猫りんご :
お客さん来てるみたいだから開けてくるね
扉を開けると昨日出会った配信者ルカ・ノワールが紙袋を抱えて立っていた。
焼き立てパンとチーズの香りが部屋へ流れ込む。
[雑談] 猫りんご:やっと、ご飯です。。。。。(サンドイッチをこの瞬間に食べようと思ってた)
ルカ・ノワール :
これ、下のマダムから『双子に』って押し付けられただけだからな
yulai :
お前たちが気になるので、自分で買ってきましたで、伝わります✋
指摘されるとルカは「あー、いや! 本当にマダムがさぁ!」と露骨に目を泳がせて慌てた。
ルカ・ノワール :
で、帰る方法探してるんだろ?
ルカは椅子に腰掛け、サンドイッチとカフェオレを机に並べる。
ルカ・ノワール :
ここから少し離れた場所に『アルカニア』……好奇心の街って場所があるんだ。そこにある城の最奥へ辿り着いた奴は『知りたいことをひとつだけ知れる』らしい。なんでも。帰り方とか失くしたものとか、誰にも言えない秘密とかさ。俺もさ、新しい配信のネタになるし、ちょっと行きたいと思ってたんだよな。一緒に行こうぜ。ほら、旅は道連れって言うだろ
yulai :
ん~そうやね~。一先ず買い物かな。調べてから行きたいし。ではルイえも~ん、まずは最新式のガシェットが欲しいよ
ルイ :
いいですね! では、最新型ガジェットのお店"万華鏡の駆動輪(カレイド・ギヤ)"に向かいましょう

yulai :
スパイキッズでさ、最新式のスパイガシェットとかわくわくしなかった? 俺たちの世界には無かったようなものがあるから、皆この世界に夢中になるのかもね
猫りんご :
わかる、未知なガジェットってワクワクするよね。なにかピッタリなガジェットあるかな?
yulai :
そうだね、移動補助系欲しいかもね。そこまでなくてもスマホ? あるか分かんないけど、タクシー呼べるだけでも違うだろうし。敵の存在もあったから、堕人のモンスター図鑑とかもないかな? ポケモンやOMORIみたいに、相性が感情に存在しそうだったよね
yulai :
CCB<=60 【幸運】 (1D100<=60) > 53 > 成功
おっ、この仮面である程度は識別できるっぽいな
猫りんご :
へぇ~便利そう、いいなぁ! うちのも赤を基調にしたの買ってぇ~ん♡
ルカ・ノワール :
俺の配信、もっと画質よくなるやつとかない?
手持ち
■仮面
・暗視レンズ / 戦況解析AI / 望遠 / 多言語翻訳
■アシンメトリアーマー
・可動式ギアで作られており、自動でダメージ箇所を予測し、変形する
・スチーム制御により一時的に身体能力を上げる
姉が用意してくれた衣装と端末


yulai :
こりゃー余白、の衣装ですわ
猫りんご :
フォォウ……♡いい買い物が出来たね!
yulai :
うんっ
昼過ぎ。買い物を済ませた一行はホクホクしながら空中路面電車を乗り継ぎ、アルカニアへと到着する。
駅に降り立った瞬間、二人は目を丸くするだろう。街を行き交う住人たちの格好が、明らかに異様なマスカレード(仮面舞踏会)のようだからだ。
天体観測のローブを着た魔女、ドラゴンの着ぐるみ、宇宙飛行士、歩く本棚、巨大な虫眼鏡を背負った老人……。

yulai :
お、奇しくも紛れ込めるやん
猫りんご :
まぁ違和感はないか……?
ルイ :
ここは内に秘めた好奇心を衣服として可視化する文化ですね、 つまり変人の街です!
yulai :
(これ、可視化された瞬間SM嬢になる人もおったやろうな)
猫りんご :
(自動で服は変わらなかったし、自らみんなその服を選んでるってこと?)
ルカ・ノワール :
あそこの奥に見える城の最奥に知りたいことを一つだけ知れる部屋があるんだ
yulai :
1個だけなのかぁ。でもどういうシステムなんだろうね
巨大な天球儀と時計塔が回転する好奇心の城。しかし門の前で、黒い鎧の門番に遮られる。

門番 :
――失礼。その男、『好奇心』が足りないな。衣服から知識への渇望が見えん。双子は想像力を形にしている服を着ている。この城へ入りたくば、己の好奇心を示すに相応しい衣装を身に纏うが良い。そちらのお二人の方がよほど純粋な好奇心を持っていそうだ。選んであげたらどうだ?(本来はここで全員着替えようとしたが、姉が自由に服を考えてくれたので)
というわけで、近くの貸衣装屋で着替えることになる。
ルカは普段から人前に出てるから衣装のチョイスなんて楽勝よと、自信満々に黒マントの『世紀の大怪盗』衣装を選んでくるが……。それはただの自己顕示欲だ。却下と即座に門番に撥ね退けられていた。二人はユーモア溢れる衣装を選ぶ。
[雑談] yulai : じゃ、この格好で配信しよっか!
[雑談] 猫りんご:オワリムの表情してそう
これで通れなかったら……とブツブツ言うルカだったが、門番はそのような好奇心は見たことない! 流石だと言って、無事に通してくれた。
yulai :
もしかして門番さんルカさんのアンチなんじゃ
ルカ・ノワール :
そうだよな! 俺との温度差すごくない?
城の内部はまるで無限に続く奇妙な迷宮だった。
道中、二人の好奇心や内面を試すような、風変わりな試練が立ちはだかる。

第一の試練:【子供の頃の楽しかった思い出を話さないと開かない扉】
目の前にそう書いてある扉。
猫りんご :
この城の好奇心に付き合わされる感じ?
yulai :
え~~なんだろう。カワイコチャンと過ごした日は全部楽しかったけどねぇ
猫りんご :
わかる、はぐれ刑事(ダミーを用意した一発勝負のかくれんぼ)も、ままごと(アドリブ劇みたいなのを一日中)も、矢印を書いた鬼ごっこ(逃げる者は地面に矢印を残し、時間差で鬼が捕まえに走る)も、どれも楽しかった!
ルカ・ノワール :
はぐれ刑事?矢印鬼ごっこ?
ルカは興味深々でどんな遊びか質問しながら談笑する。
ルカ・ノワール :
あ、俺もはぐれ刑事で思い出したんだけど、昔すげぇ土砂降りの雨の日にさ、外で遊べないからリビングの椅子と机にバスタオルや毛布を引っ掛けて『秘密基地』を作るのが好きだった。
中は薄暗くて、ちょっと埃っぽくて、外では雨がザーザー降って世界中がめちゃくちゃになってるのにその毛布一枚の隙間だけは絶対に安全な俺だけの国。
狭い暗闇の中でじっと雨の音を聞くのがなんかたまらなくワクワクしたんだよな……
三人が思い出話をしていると、扉は光の粒子になって消えた。
第二の試練:【好きなものを語らないと進めない回廊】
それぞれ好きなものを語っていく。
猫りんご :
うちは姉かな!(曇りなき眼)
yulai :
もの、だから思い浮かばなかったよ///
三人が無事に好きなものを答えると最後の試練が目の前に現れる。
第三の試練:【怖いものを一つ告白しないと渡れない橋】
yulai :
えーと死? 告白っていうとなんかもっととんでもないものなのかな?
猫りんご :
うちも死かもな
しかし二人が本音で答えると、透明な橋に実体が生まれる。
yulai :
おー良かった これで帰り道も分かりそうだね
ルカも一歩前に出ようとするが……ぴたりと足が止まってしまう。彼は唇を噛み締め何も答えられずに押し黙ってしまった。
yulai :
う~ん、じゃあ俺たちは先に行ってるから、後から来たらいいよ、複雑だからはぐれるかもだけど
彼の背中が微かに震えている。いつもならあー、俺の怖いもの? ファンが減ることかな! なんて、軽口で済ませるはずの彼が、今は喉を締め付けられたように息を詰まらせている。きっとまだ自分でも受け入れられていないのだろう。
ルカ・ノワール :
おんぶしてくれない? ……なんちゃって、滑り落ちたら奈落か
ルカはあははと笑っていた。
yulai :
(死より怖い物あるんか、この世界では不死だから?)
というより、人前で言いたくないものかなって。俺たちが居無くなれば500デシベルで叫べるんじゃないかなって。じゃ、また
やがて辿り着いた、城の心臓部。(しばらくしてルカも追いかけてくる)部屋の中央、古びた机の上には一冊の日記帳が置かれていた。

日記を開くと、進むにつれて狂気的な筆圧で埋め尽くされている。
『知りたい』『もっと知りたい』『全部知りたい――』
その瞬間、日記が勝手に高速でめくれ始め、ドロリとした黒い霧が立ち上がる。

yulai :
キモ?!???!
現れたのは、シャープな黒い甲冑を身に纏い、その隙間から無数の目と本のページが蠢く、不気味で美しい異形の怪物――【堕人:渇望の学者】。
yulai :
何処が美しい?! え、この人ここで何か知って感情がなくなったってこと?
とんでもない事実知っちゃってるってワケ
ルカ・ノワール :
っ、出やがったな……! 二人とも、危ないから俺の後ろに――
ルカは護身用の剣を抜き、真正面から受け止めるが、堕人の力は強大で火花を散らしながら吹き飛ばされてしまう。壁に背を打ち付け、苦痛に顔を歪めるルカ。
堕人の無数の目が、今度はあなたたちを捉えた。さあ、どうしますか?
★PL行動宣言:感情銃の使用
銃に向ける感情(例:優しさ、怒り、覚覚悟、希望など)を宣言してください。
yulai : CCB<=70 【精神分析】
まずは、調査か? 仮面をタップする (1D100<=70) > 49 > 成功
調査のため仮面をタップすると情報のビジョンが流れ込んでくる。
これは堕人の記憶だろうか? 男は分からないものを愛する旅人だった。
『よく分からないけど良いに出会うたび、俺は自分がどういう人間か分かるんだ』
しかし最深部の扉の前で恐怖がよぎる。
『もし全部知ってしまったら? 未知が消えたら……俺は何を好きになればいい?』
欲求と恐怖に引き裂かれ、彼は堕ちたのだった。
ビジョンが消え、視界が元に戻る。
yulai :
ぶわーーーーっはっはw 堕ち過ぎだろw 本当に未知はなくなるのだろうか?
世界は広い。知れば知るほど、新しい謎が生まれる。たとえ全てを知れたとしても、それで本当に終わりなのか。
分からないことだけが好きだったわけじゃない。知ることも、考えることも、その先にある発見も好きだったはずだ。なら彼は、何を恐れていたのだろう。
もし全部知ってしまったら? そんな心配をしていたのか。全てを知ることなどできるはずがない。仮に知ったとしても、その知識からまた新しい未知が生まれるからだ。
ぶつける感情は、”呆れ”である。
[雑談] 猫りんご :呆れぶつけないでもろて(これただのツッコミね、全然ぶつけていいから)
二人の銃口から目も眩むような鮮やかな光弾が放たれた! 弾丸はまっすぐに堕人の胸へ命中し、その心を優しく、しかし力強く貫く。
渇望の学者 :
ぉぉおおおおおッ!? ……そうか、そうだったのか……! 俺は、「いつか未知がなくなるのではないか」と恐れていた。だが、それは世界を自分の手の届く大きさだと思い込んでいたということではないか!?
なんという傲慢……! 世界は広い。知れば知るほど新たな問いが生まれ、自分自身も変わっていく。豊かになった分だけ、昨日の自分では見えなかった景色が広がっていくのだ。一人の人生で自分の内から湧き上がるすべての疑問に答えを出し尽くすことなど出来るはずがない! それなのに俺は……!
「知り尽くしてしまうかもしれない」などと、自らの好奇心の果てを勝手に決めつけていたのか! ああ……あああああっ!! 私は、自分が恥ずかしい~~~~ッ!!!
いつもなら霧のように消滅していくはずの堕人の身体が、二人の放ったあたたかで純粋な光に包まれたまま、静かに輝いている。
[雑談] yulai : あたたかい、かなぁw
[雑談] 猫りんご :あったまったのかも知れんw
渇望の学者 :
あ……ああ……。俺は、『分からないもの』にこれからも出会えるんだ……
男は静かに笑う。ズルリ、と異形の黒い甲冑が崩れ落ちていく。立っていたのは一人の、疲れ果てた人間の男の姿だった。彼は安心したように意識を失い、その場に崩れ落ちた。命に別状はない。
ルカ・ノワール :
……うそ、だろ……!? 人間に戻った……?
ルイ :
レヴェリアの観測史上、初めての事例です……!
yulai :
(これ、皆トラウマになるやんw 俺は人間を消してたんか?! ってw)
カラン、と小さな音を立てて、男の身体からキラリと光る星の形をした結晶――『欠片』が零れ落ち、二人の手に収まる。

扉 :
これは感情の欠片です。彼が生んだのは『驚き』の欠片。未知に出会う喜びです。人はいずれ悲しみも怒りも寂しさも忘れます。ですが、どうしても失いたくなかった感情だけはこうして残ります。
その時、欠片が淡く光る。同時にそびえ立つ巨大な扉の向こうで、カチリと重々しい音を立てて開かれた。扉はあなたたちに『知りたいことをひとつだけ知る権利』を提示している。扉の中からは圧倒的な知識の濁流と光が溢れ出している。その光を見た瞬間。
二人の胸に問いが浮かぶ。
自分は何を知りたいのだろう
帰る方法かもしれない。失くしたものかもしれない。
それとも別の何かかもしれない。
さあ。二人は何を知りたいですか?
yulai :
(これさぁ現実的に実現できる方法で、この場所以外に何時でも知りたいことを何でもすぐ知れるようになる方法って聞いたらさ……傲慢です、って堕人になるんかな?)
猫りんご :
(そんな方法はありません、これが"答え"ですって言われそう……)
yulai :
(それ、帰れる方法聞いてそれだったらやばいねw)
(てか二人ってルカさん除外されてるの、成果主義)
猫りんご :
(これも試練だったってこちょ? え、君、帰れる方法以外で知りたいことある?)
yulai :
(家族全員で永遠に過ごせる方法? 多分この世界に居ることとかになりそうだけど)
扉 :
よろしい。それなら、一つの真実を贈りましょう。貴方たちが一度あちらの世界へ帰り、その『有限の命』を"精一杯"に生きたあと――もしもまだ、この街を求めてくれるのなら。その時はいつでも、貴方たちの元へ現れるでしょう。もちろん、次は貴方たちの愛するご両親の手も強く握りしめて。私たちはいつでも貴方たち家族の『おかえり』を待っていますよ。
yulai :
むっむー♪(喜びのピングー)
猫りんご :
えーっと、じゃあうちは帰れる方法で
扉 :
現実の世界へ帰るためのヒントは、感情の欠片を集めること。それは、世界の調和を形作る『7つの一次感情』で出来上がっている
yulai :
急にヒントw 教えてくれないっていう
扉 :
答えをすべて教えてしまったら好奇心がくすぐられないだろう。ほら、7つの感情の欠片を集めなさい
ルカ・ノワール :
それじゃ、この伸びた男も一緒に連れ帰ってやるか

夕暮れのアルカニア。人間の姿に戻った男を街の病院へと預けた。帰り道、空中電車がゆっくりとレールを走っていく。窓の外は美しく茜色に染まり、手の中では男の『驚き』の欠片が優しく、誇らしげに光っている。
ルカ・ノワール :
全部知っちまうなんて、やっぱり退屈だもんな。俺さ、お前らのことまだ全然分かんないや。……でもさ、だから面白い。これからもゆっくり教えてくれよ
ルカは窓の外を見つめ、それからふっと、心の底からリラックスした様子で少し照れ臭そうに笑う。
ルカ・ノワール :
楽しかったな……久しぶりに心から笑った気がする
その時だった。カラン。カラン。カラン。静かな車内に三つの小さな音が重なって響いた。足元にダイヤモンドのような結晶が転がっている。

ルイ :
あ。今、生まれました。
『楽しかった』という喜びの欠片です。……皆さんから、ひとつずつ生まれました
ルカ・ノワール :
……はは。そんなのまで残るのかよ。俺、今日そんなに楽しかったか?
ルイ :
感情の欠片は、どうしても失いたくなかった感情から生まれます
ルカ・ノワール :
じゃあ俺、今日を忘れたくなかったんだな
[雑談] yulai : ラスト、あと2個、揃わないね‥‥ちょっと、取って来るわwww
yulaiは谷底へ落ちていく恐怖、絶望
その二つが落ちていた――ー。 ブラックジョーク
ルカは嬉しそうに愛おしげに笑う。夕焼けに染まる街。空中路面電車はレヴェリアへ帰っていく。二人の手の中には新しく灯った欠片たち。
まだ帰る方法は分からない。けれど、知りたいことが増えた。
それはきっと、悪いことではなかった。
第3章「失いたくないもの」
アルカニアからの帰り道、空中路面電車を降りた瞬間だった。
世界が急速に彩りを失い、激しい雨が街を侵食していく。
現実世界の冷たさを思い出させるような重く、容赦のない雨。

あなたたちが逃げるように飛び込んだのは、路地裏にひっそりと佇む明かりの消えかけた小さな喫茶店だった。
扉を開けると、チリンと乾いた真鍮の鈴の音が鳴る。
重い扉が閉まった途端、外の雨音は嘘のように遠ざかる。
店内を包むのは深い珈琲豆の香りとほんの少し湿った雨の匂い。

マダム :
あら、いらっしゃい。びしょ濡れじゃない。……来てくれて嬉しいわ、素敵な偶然ね
カウンターの奥で、マダムが煙管をくゆらせながら温和に微笑んでいる。
あなたたちが席に落ち着き、これまでの旅路――アルカニアでの出来事や人間の姿に戻った男、手の中にある『驚き』の欠片について話すと、マダムは紫煙の向こうで目を細めた。
マダム :
感情を集めているのね? ……なら、次の目的地は『アモリカ』がいいかもしれないわ。少しディープな場所だけど、大人だもの。心配はいらないわね。ここから『大気流』と呼ばれる激しい嵐の海を越えた先にあるの。あそこはね、世界で一番“誰かを想う心”が熱く燃え盛っている、愛と情動の街よ
yulai :
世界で一番“誰かを想う心”も烏滸がましすぎる。そこのけそこのけ双子が通る
猫りんご :
そうだぞ。うちらがこの世界に来た瞬間、愛の欠片が生まれてもいいよね
ルイ:
扉は欠片の説明でこう言ってました。どうしても失いたくなかった感情だけはこうして残ると、感情の中でも強いものがうまれるのかもしれません
yulai :
それなら、この愛は? 失いたくないと、来世でも一緒に居たいという
ルカ・ノワール :
何か別の条件でもあるのかも知れないな
yulai :
っちゅっちゅ……^^(黒糖ラテを満足そうに飲む音)
マダム :
おいしそうに飲んでくれて嬉しいわね♪ ふふ、長旅で疲れたでしょう。三人の時間を邪魔しちゃ悪いわね。ゆっくりしていって
マダムはそう言って、静かに奥の厨房へと下がっていく。
店内には薄暗い真鍮ランプが優しく揺れ、古い蓄音機からは気怠いジャズが微かに流れていた。サイフォンの青い炎が揺らめく中、温かい珈琲のカップを両手で包み込みながら、ルカがぽつりと口を開いた。その視線は、黒い液体の表面に落ちている。
ルカ・ノワール :
……試練の橋でさ。俺、何も言えなくなっちゃって……ごめんな
彼は自嘲気味に少しだけ笑い、けれどすぐに視線をカップの温もりへと戻した。
ルカ・ノワール :
俺さ、ずっと自分の弱いところを見せるのが怖かったんだ。……でも、お前らは違った。俺の格好悪いところを全部見たのに態度を変えたりしなかった。それどころか、お前らの方こそ俺の前で色んな表情を見せてくれるじゃん。……それがなんか、すげぇ嬉しかったんだよな
ルカはカップを包む手に少しだけ力を込めると、静かに、けれど堰を切ったように語り始める。
ルカ・ノワール :
俺が本当に怖かったのはさ……『誰からも求められなくなること』だったんだ。小さな頃から自分は空気みたいな存在だと思ってた。だから配信を始めたんだ。あっち(現実)にいた頃は何万人ものリスナーが俺を観てた。それが嬉しくて自分の存在を証明したくて命がけで喋り続けてたんだけど……
彼は一瞬、自嘲気味に笑う。その笑顔は現実世界の傷口をそのまま見せるかのように痛々しいものだった。
ルカ・ノワール
あるとき気づいたんだよ。皆が求めてるのは“完璧で、面白くて、都合のいいルカ・ノワール”なんだって。……いや、違うな。たぶん俺が勝手にそう思い込んで怯えてただけなんだ。でも、そう思い始めたら止まらなくて。喋り続けないと忘れられる、面白くない俺には価値がないって。気づいたら、どこまでが本当の俺なのか分からなくなって……だからあっちを全部投げ出して逃げるみたいにこの街に来ちまった……ごめんな、こんな湿っぽい話。なんか、お前たちには話したくなっちゃってさ
外の激しい雨音が、ルカの震える告白を優しく包み込んでいく。
あなたたちの言葉を受け止めると、ルカは今度は自嘲ではなく、心からの柔らかな笑みを浮かべた。
yulai :
ん~~~~ムズイね
猫りんご :
むずい?
yulai :
うん。たぶん俺とルカさんって根っこの価値観が結構違うんだと思う。俺には双子がいてさ。長い時間をかけて、「この人は自分にとって大切だし、自分も大切にされてる」っていう実感を持ちながら生きてきたんだ。だからなのかな「誰にも求められなくなるのが怖い」とか「忘れられたら自分の価値がなくなる」っていう感覚は正直あまり分からない。誰かに喜んでもらえたら嬉しいし、必要として貰えたらもちろん嬉しい。でも、それがなくなったからって、自分が空っぽになる感覚もあんまりなくて。うちの中では本当に分かってくれる人が数人いれば、それで十分なんだよね。たぶん最初からルカさんがずっと見ていた景色を知らない。でも逆に言えばさ、格好悪くて、弱音を吐いて、湿っぽい話をしても「まぁ、そういうところも含めてルカくんだよな」って思う人もいると思うよ。
ルカ・ノワール :
……俺もさ、多分。不特定多数じゃなくて、誰かに俺自身を見てもらえればそれでよかったんだよな。今は焦りが全然ないんだ。なんか満たされてるんだよ。もちろん『見てほしい』って願いが消えたわけじゃない。だけど……もう『誰にも見つけてもらえない』なんて怯えることはなくなった。俺のことを見つけてくれたから
yulai :
(いやいや、まだ分からんよね?? これくらい普通に話すこともあるだろうし)俺たち普通に現実へ戻るだろうし、俺たち以外にも見つけてくれる人おるやろし、両親は見てたやろし、古参とかもおるやろし、ゆっくり探してこやw
ルカは苦笑いしながら、少し視線を落として、小さく息を吐いた。
ルカ・ノワール :
……俺の親、離婚してて。ぶっちゃけ子供の頃の俺ってどっちにとっても邪魔そうだったんだよ。なんて、いきなりこんな重い話引くよな。ごめん。
別にお前たちに依存したいわけじゃないんだ。ただ……知って欲しかったんだよ。お前たちとならさ、これから色んな話をゆっくり重ねていけると思ったから。あんなに怖かった『沈黙』も今はそんなに悪くないって思えてる。
お前たちといるとさ、……そのままの自分でいいんだって思えるんだ
yulai :
そっか……
その瞬間。
カラン――と琥珀色のテーブルの上にガラス細工のような美しい音を立てて結晶が落ちた。それは黒い雨の夜に生まれたひときわ眩しく、けれどどこか切ない光の粒。

ルイ :
『恐怖の欠片』です。ルカさん、貴方は恐怖を消し去ったのではありません。それを受け入れたのです。恐怖を抱えたまま、それでも誰かを信じて心を開いた時に……この不完全な時間は何よりも大切な記憶となったのでしょう
yulai :
じゃあ~酔いますかぁ!! って、ここは喫茶店か
マダム :
もちろん、お酒も用意してあるわよ♪
そそくさとマダムが色んなカクテルを机に置いていく。ルカは落ちた結晶を不思議そうに見つめ、それからどこか照れたように笑った。気づけば、窓の外の激しかった雨は穏やかな夜霧へと変わり、レヴェリアの街を静かに祝福するように包み込んでいた。
ルカとバイバイした後、二人で部屋に戻る。

猫りんご :
明日はアモリカだっけ、飛空艇たのしみだね。乗って見たかったんだ
yulai :
アモリカかぁ……
yulai :
なんか愛情の中にそれっぽい名前あった気がする。アモーレか
猫りんご :
愛の街、ねぇ。俺たちの愛に勝てんの? って聞いてんの
yulai :
……ルカさん、俺たちと過ごしていて沈黙が怖く無くなるって、普通にファンの君が居て、そもそも知らんですわって俺が居て。でも、そういう何でもない時間って本来は学生時代の友達とかだと普通にあったりするんだろうけど。人間何時何が転機になるか分からんね
猫りんご :
ね、自分の全部をさらけ出しても平気だったのが良かったのかな。たぶん今までは、どこにいても「理想のルカ君」を頑張ってたんだと思う。
でも今回は格好悪いところを見せても誰も態度を変えなかった。それに君も最初から変に格好つけないじゃん。「なんで?」って思ったら聞くし、嬉しかったら喜ぶし、嫌だったら嫌って言うし。そういう姿を見て「そんなに頑張らなくても大丈夫なのかも」って思ったのかなって。……わからないけど。
yulai :
にっちゃぁ……(笑った音だ)
翌日。あなたたちはマダムの言葉に従い、レヴェリアの飛行港へと向かった。
港に堂々と佇んでいたのは真鍮のフレームと巨大なガス嚢(のう)を持つ、街で一番大きな定期飛空艇『グランド・レヴェリー号』。
地図によればアモリカへ行くには激しい乱気流が渦巻く大気流を越えねばならず、この大型船でしか辿り着けない。

あなたたちが乗り込むと重厚な汽笛が鳴り響き、船体はゆっくりと浮上した。雲海を抜け、心地よいエンジンの重低音に包まながら旅は順調に進んでいるように思えた。
しかし、出発して数時間が経ち、船が大気流の境界へと差し掛かったその時だった。
――ガガガガガッ!!!
yulai :
白眼
凄まじい衝撃が船体を走る。客席から悲鳴が上がった。
窓の外では黒い雲が狂ったように渦を巻き、風が唸りをあげている。
そして、その黒雲の中から巨大な影が現れた。それは鯨(クジラ)のような姿をした、空を泳ぐ異形――【堕人】だった。
全身を覆う黒い甲殻。蠢く無数の目。それが尾を振るたびに、大気流そのものが悲鳴を上げる。

乗客 :
きゃああっ!
な, なんだ!? 墜ちるのか!?
ルイ :
警告! 推進炉の出力が急激に低下! このままでは大気流の渦に巻き込まれます!
赤く点滅する警報灯。堕人は飛空艇へ向かって咆哮をあげる。パニックを起こす乗客たち。その混乱の最中、客席の後方から一人の男が静かに立ち上がった。

白い髪。黒いコート。すべてを見透かすような、冷え切った瞳。青年は揺れる船内を迷いのない足取りで中央の機関室へと向かっていく。
青年が機関室で修理をしている間、PCたちはどうしますか?
パニックになる乗客を落ち着かせる(【精神】や【交渉】)
飛空艇の姿勢を制御する(【操縦】や【幸運】)
船内から射撃で援護する(【射撃】)などの行動をPLに募ってください。
猫りんご :
……ここに小型飛行船がある! 数人なら乗れそうだよ! 二人で乗ってく!?
yulai :
ひぇえ運転出来ないよ?! なんか未解決事件にさ、男がパラシュート持って飛び降りて発見されなかってやつ、たぶんパラシュートの開き方知らなかったらしい!?
猫りんご :
まじか……!?
yulai :
てか圧倒的な悪意過ぎん?! わざわざ通り抜けるときにこれしか経路ないのに襲って来るってもう人間に対して絶望しか感じてないよな?! 絶対殺すマシーンの堕人過ぎる。そうこうしている間に時間ナイ↑?!
応急処置を済ませてきたのか白髪の男が戻ってくる。
アデル・エルミオン :
あの鯨ずっと追ってきてるな、その剣を貸してくれないか? あの鯨を叩き斬る。大勢の人の命を守るためには殺すしかない
yulai :
空飛べる感じ?
アデル・エルミオン :
小型飛行船を操縦できる
yulai :
なるほどぉ……なんかいい方法ないかな。人間が感情を制御できなくて、その苦しみから解放した時、元の姿に戻ってたよね?
アデル・エルミオン :
人の姿に? そんなことある訳ない
ルカ・ノワール :
確かに人の姿に戻ってた
yulai :
いたんか?!
ルカ・ノワール :
いるだろ!? 配信のネタになるかも知れないし……!
yulaiが鯨の精神を分析すると彼のビジョンが伝わってくる。
世界が急速に白く染まり――脳裏へ、一人の男の記憶が濁流のように流れ込んでくる。男は現実世界で夜空を見上げるのが何よりも好きな天体観測士だった。誰もいない冷たい部屋。画面に映る美しい星空と完璧な数式。けれど、どんなに素晴らしい発見をしても効率と利益ばかりを求める現実の人々は彼の言葉を無駄だと笑い、誰も耳を傾けようとはしなかった。『誰でもいい。誰でもよかったんだ。……俺が命がけで見つけたこの綺麗な星空を、誰かと一緒に見上げて、凄いねって、ただ笑い合いたかっただけなのに』誰の耳にも届かない声。誰の記憶にも残らない絶望。その強烈な孤独の果てに行き場を失った彼の叫びは船を呑み込む嵐の咆哮へと姿を変え──誰もいない、暗闇の雲海へと墜ちていったのだった。
yulai :
チ。見てーーーー!!
チ。見てぇええーーーー!!!!
同胞、めっちゃ出てるからぁああああ!!
するとyulaiの腰に携えている感情銃が輝き出す。感情銃を撃ち込めば堕人にも声が届くかもしれない。
アデル・エルミオン :
……人に戻るとは思えないが、時間もない行くぞ
白髪の男はyulaiを抱えると小型飛行船に乗り込ませる。小型飛行船は立って乗れるもので3人くらいは乗れそうだ。鯨が次の激突をしようと迫ってくる。アデルはもしもにそなえてyulaiの腰についている剣にも片手を伸ばしていた。
yulai :
チ。みてぇ……っ見てよォ;; メソメソ
銃を撃ったその瞬間、鯨の瞳にチの映像が流れ始める。
鯨の堕人:
あぁ、こんなにも星空は世界を、人を繋げていたんだ……家に帰ってチ観たいよ……
鯨の巨体が光の粒子となって崩壊し、人間の姿を取り戻した天体観測士の男が虚空へと放り出される。真っ逆さまに落下していくその身体を救うため小型飛空艇はエンジンを咆哮させ、垂直に近い角度で急降下を開始した。
アデル・エルミオン :
人に……? ── 掴まっていろ!
操縦桿を握るアデルの鋭い声が響く。遮るもののないオープンな機体にゴウゴウと狂ったような風が容赦なく叩きつけられた。激しい風圧に身体を煽られ、ステップから引き剥がされそうになりながらも手を伸ばす。落下する男の身体が急速に近づく。激しい乱気流に機体が激しく揺れたが、アデルの見事な操縦によって飛空艇は最小限の軌道修正で男の真横へと滑り込んだ。
タイミングを合わせyulaiの伸ばした手が男の腕をガシッと力強く組み止める。そのまま機体へと男を引き込み回収に成功した。
男の安全を確保した瞬間、アデルが操縦桿を限界まで引き絞る。小型飛空艇は猛烈な風を切り裂きながらぐんと機首を上げ、嵐の去った美しい空へと力強く舞い戻っていった。天体観測士の男は落下の衝撃で気絶している。
激しい乱気流の中、あなたたちの諦めない心が嵐の引力に打ち勝った瞬間だった。船に戻ると嵐の咆哮をかき消すように船内には乗客たちの地鳴りのような歓声と拍手が響き渡った!
yulai :
いや船燃えてるし、堕ちるの時間の問題!
技師 :
おい、だれかこっちに来てくれ!
ボロボロになった船の中で技師が叫ぶ。機関室の扉を開けるとそこは計器が火花を散らす地獄絵図だった。
技師 :
堕人にぶつかった衝撃で燃料系がイカれたか!? クソ、どこが壊れてるんだ、計器の異常が多すぎて何も分からん……!
アデル・エルミオン :
燃料系じゃない。第三制御弁のわずかな歪み。蒸気の排気音が半拍ずれている。システム全体の同期を狂わせ、出力を殺している
技師 :
なぜ、そんな一瞬で分かる……!?
アデル・エルミオン :
音だ。最初から正解の音を知っていれば、そこから外れたノイズを弾くだけの単純な作業。技師ならそれくらい覚えておけ
青年は技師から工具を引ったくると、電光石火の手並みで機関部を調整していった。数分後──カチリとそれまでの狂った不協和音を正すような美しい金属音が響く。直後エンジンの出力が爆発的に跳ね上がり、船体は嵐を切り裂いて安定を取り戻した。
技師は間違いない、あの手際……数年前に姿を消した天才空路士アデルだ……と震える声で呟いた。飛空艇の炎は安定し、船体は完全に安全圏へと脱出していた。
yulai :
お、消えたやね^^ ふぅ~無事で良かったよ~
猫りんご :
よかった、安定して
ルイ :
到着まであと10分を切りました!
調律された美しい駆動音を響かせ、飛空艇は桃色の霧の向こうに佇む妖艶なネオンの街『アモリカ』へと到着した。

駅に降り立つとそこはピンクと紫のネオンライトに包まれた幻想的な世界。しかし、街へ足を踏み入れようとしたあなたたちの行く手を遮るように円形の門番ロボットが立ち塞がる。
yulai :
ドギツイピンクや……!
猫りんご :
これが愛の街……!!
ここの街はペアじゃないと入国出来ないので同じく用があったアデルが同行することになる。無事に入国したあなたたちの目に、空中に浮かぶ巨大なホログラムビジョンが飛び込んできた。そこには年に1度の愛を誓うダンスパーティー本日開催!の文字。
愛は喜びだけでなく、怒りも、嫉妬も、不安も生むもの。このパーティーで感情の欠片が集まる可能性は高い。夜のパーティーまであなたたちはアモリカの街を自由に散策することにした。
■探索可能な箇所 1個でも3個でも
1. Bar&チョコレート専門店『ビター&スウィート』
2. お休み処『まどろみ』
3. 想いのデータバンク
yulai :
ここでしかない場所、探してみたいねぇ。てか、アデル氏(YOU)は何しにアモリカ(ニッポン)へ?
アデル・エルミオン :
俺はデータバンクに用がある、ただここに1人でいたら退国させられそうだからな。お前たちがこの国を出るまでは着いていく
yulai :
普通の人もデータバンク見に行きたいのにこの場所にあるの欠陥過ぎる。じゃ、まずはBARへとしゃれこみますか
■Bar&チョコレート専門店『ビター&スウィート』

シックなネオンに彩られた店内。ここはただ甘いだけでなく愛にまつわるあらゆる感情を味にしたチョコレートと感情を一時的に変化させるカクテルを出すお店だった。
カクテルメニュー例
・『初恋の味(甘酸っぱいピンクの液体)』:
飲むと酔いがさめるまで目の前の相手が愛おしくてたまらなくなる。・『嫉妬の炎(ドロッとした緑の液体)』:
飲むと隣の人が他の人と仲良くしているのが許せなくなる。お好きなカクテルやチョコを作ってどーぞ
ここではさまざまな茶番が繰り広げられた。その一幕としてなぜか酔ったyulaiが虎になってしまい、酔いが醒めるまで一行が慌てて彼女を追いかけ回すという騒動もあった。
■想いのデータバンク

ここは誰か大切な人に届けられなかった想い(データ)が電子の海から集まり、保管されている場所だった。常に想いを伝え合っている双子にはメッセージがないかも知れない。
yulai :
皆ここで何見るんだろうね
アデルはある一つの小さな古びた端末の前に佇んでいた。彼は画面をじっと見つめた後、愛おしむように静かにデータを手元の携帯端末へと回収する。これこそが彼が危険な大気流を越えてこの街へやってきた本当の目的だった。
猫りんご :
CCB<=80 【目星】 (1D100<=80) > 25 > 成功
(『お兄ちゃん、ありがとう。またいつか星空の旅に行こうよ』……だって)
アデルは取り出したデータを衣服の奥、最も心臓に近いポケットへとしまい、感情を完全に閉じ込めるようにきつく目を閉じた。
yulai :
可哀そう……(´・ω・`) あっ、でも死んだ後にもこの場所にこれるって知識の扉さんが言ってたで。会えるちゃうん?
この後、yulai、猫りんご、アデルは下記のようなことを話した。
知識の扉は現実世界へ戻ったあと「有限の命を精一杯に生き」それでもなおレヴェリアを望む者がいるならいつでも迎えに行くと告げた。愛する家族の手を握ったまま再びこの街へ帰ることもできるという。
けれどその優しい約束にはひとつの空白があった。アデルの弟は現実世界ではなくレヴェリアで命を落としているらしい。
現実を生き終えた者がレヴェリアへ還る道は示されたがレヴェリアで死んだ者がどこへ行くのかは誰にもわからない。
レヴェリアはすべてを救う完璧な楽園ではない。
老いのない安らぎがありながら、堕人や他殺、自ら命を絶つことで失われる命もある。優しさと残酷さが同居する不完全な世界だ。この世界にはまだ知られていない理があり、見落とされた抜け道があるのではないか。
喪失を受け入れるのではなく「本当に他に方法はないのか」とyulaiは問い続けた。
そして弟の喪失を語ったアデルは強いストレスに晒されたため、余白保全法に基づきお休み処「まどろみ」でしばらく休息を取ることになった。
■お休み処『まどろみ』

アデル・エルミオン :
知識の扉に俺は一度行ったんだ……
yulai :
えー!? なんて言われたの?
アデル・エルミオン :
現実に帰る方法を教えて貰い、双子に着いていけばいいと言われた……
yulai :
(でも、普通は弟ともう一度過ごせる方法って聞かない?)
猫りんご :
(それの答えはなかったんじゃないかな?)
(扉は「万能の願望機」ではなく、「世界の真理を教えてくれる存在」みたいな)
yulai :
(そっか……寝よか。付き合ってくれてありがとな)
猫りんご :
(いや、ごめん……全然君が求める答えに辿り着けなくて)
yulai :
いや、ある意味この世界が分かったよ
猫りんご :
わかった?
yulai :
そんな大それたことじゃないよ。
現実 ⇔ レヴェリア → 死の世界
みたいになってるのかね? ここはエデンかと思っていたけど、全部が天国ってわけじゃなくて、現実みたいに残酷な一面もあるわけだ。堕人って感じに
色々とyulaiが思考していると、ルイはyulaiを持ち上げてベッドまで運ぶ。
ルイ:
副交感神経もあげていきましょ~
yulai :
四足歩行でぐるぐる回り……ポスポス、……ぐぅ
他の3人もまどろみの店員ロボによってそれぞれ別のベッドへと運ばれていく。
最高級のシルクに包まれた、日々の疲れを癒すためのリラクゼーションスペース。部屋に入ると心地よいアロマの香りと夢心地のようなヒーリングミュージックがあなたたちを迎える。
案内されたのは雲のように柔らかい大きなベッドだった。移動の疲れもあり、横たわったあなたたちはマッサージの心地よさに抗えず深い眠りへと落ちていく……。
しっかりと疲れが取れた頃、街のネオンが一斉に跳ね大音量のクラブミュージックが響き渡った。街中がカラフルな色でライトアップされ夜の帳が降りる。天空のスピーカーからハイテンションなDJの声が響き渡った。

www.youtube.comあなたたちの足元は美しいヒールへと変わり、衣服は光の粒子をまとって美しいドレスやタキシードへと変化していく。
yulaiは心の純真さを表すような水色のドレス、猫りんごは内に秘めた情熱を表すような鮮やかな赤色のドレス。ルカは夜の星屑を散りばめたような黒のタキシード。アデルは雲のような白色のタキシード。
アデル・エルミオン :
ふぅ……なんだこの騒がしい街は
DJ :
ダンス! ダンス! ペアで踊って! ダンスをしない不届き者は追放ですヨ!
yulai :
踊りますかぁ……!!
yulaiは猫りんごの手を取る
猫りんご :
街中がクラブみたいになってて凄いね! 街中で普通にダンス踊ってみたかったんだよね! みんな想い想いのダンスをしてるよ
その幸福な空間を引き裂くように――ガシャアン!! とビルのガラス窓が派手に割れ、悲鳴が響き渡った。
華やかなネオンの光の中に現れたのは、お互いを鋭い茨(いばら)の鎖でがんじがらめに縛り付け合い、血を流しながら咆哮する二体一対の怪物。
──【堕人:番(つがい)】。

彼女の堕人:……誰といたの? なんで返事してくれないの!? 本当に私を好きなの!?
彼の堕人:
愛してる……! 愛してるけど、なんで分かってくれないんだ……!
yulai :
これが、本当の愛。なんですかねぇ
本当の愛なのだろうか。yulaiはそう思う。ここは理解らせるため堕人にお互いを信じる気持ち(情動)を撃ち込むのがよさそうだ。誰(双子の片割れ、ルカ、あるいは目の前の堕人たち)を信じるかをPLに宣言させ、感情銃を使用してください。
yulai :
まぁ、百聞は一見にしかず! 本当の【愛】を見せた方が、早そう、だねぇ?
猫りんご :
うん、そうだよね!
yulai :
信じる! だけじゃない、何が相手にとって幸せ、なのかァ!! てか恥ずかしくないのぉ?! 自分の激情に任せて他人を不幸にしたりさァ! この世界からも消される可能性がある存在になっちゃってェ! それって片方を置いていく可能性があるってことだよねぇ! 知能、足りてる~~~~!??! (DJブースにて)
ルカ・ノワール :
(基本、感情銃を撃ち込むとき煽ってるな……)
yulai :
ここにぶつける感情はァ! 信じる! なんて生易しいもんじゃァない!! この感情は~~!? ドン引き、だぁああ~~~~!!! ドォオオン!
[雑談] 猫りんご : ドン引き、ブチこまないでもろて
猫りんご :
うちらの絆はそんな脆くないよ~~~ん、浅すぎるんじゃないのォぉ~??
引き金が引かれた瞬間、鮮烈な光弾が放たれ、あなたたちの脳裏に堕人の記憶が流れ込んでくる。
二人が最初に出会った日。不器用に笑い合った日。手を繋いだ日。ささやかな未来を語った日……。そして、愛ゆえに『嫌われるのが怖かった(彼女)』『失うのが怖かった(彼)』と泣き崩れ、自ら茨に絡まっていった絶望の瞬間――
あなたたちが放った真理が、二人の悲しいすれ違いの芯を真っ直ぐに撃ち抜く!
ズルリと異形の茨の鎖が解け、そこには人間の姿に戻り、お互いをきつく抱きしめ合ってボロボロと涙を流している男女の姿があった。命に別状はない。
yulai :
(アブねぇ~~~高火力過ぎて消し炭になってたらどうしようおもたわ……)
人間の姿に戻った二人は泣きながら何度も言葉を交わしていた。ごめんね、嫌われるのが怖かったの。俺もだよ、お前を失うのが怖かったんだ。……でも、もう離さない
yulai :
よしよしもっと伝えてけ~?
その瞬間。カラン、カラン。二つの結晶が静かに床へと落ちた。


ルイ :
『怒り』の欠片。そして『不安』の欠片です。怒りとは『大切なものを守りたい』という願い。不安とは『美しい未来を強く願う』心。これらもまた深い愛から生まれる大切な燃料なのです
yulai :
なんかね、作り話かもしれないけど、旦那さんがあるときから全く奥さんに話しかけなくなったの。そして50年くらいが立った時、なんで話さなくなったの? って聞いたら、奥さんが子供に夢中で嫉妬してって言ってて、テレビの作り話かもだけど、えぎぃなって思ったんだよね^^
猫りんご :
いい話かと思ったらオチそこ!?
堕人(番 ):
ありがとう、すれ違いの怖さを教えてくれたんだよね……

帰り道の飛空艇。
窓の外は燃えるような茜色の夕焼けが雲海を赤く染めている。飛空艇は静かに滑るように進んでいた。
アデルは一人、窓の外の沈みゆく夕陽を見つめていた。その横顔は生まれて初めて解けない数式に出会ったかのようにひどく困惑し、激しく迷っているようだった。
アデル・エルミオン :
……理解できない。引き裂かれそうになるほど傷つけ合った。それなのに──なぜ彼らは出会ったことを後悔していないんだ? 傷つくと分かっていて、なぜまた他者を求める?
yulai :
それはまぁ、彼らにとっての関係が弟さんみたいな感じだからじゃないかな。知らんけど唯一見つけた相手なのかもしれんし。分からんけどよ
静かにyulaiの話を聞いていたアデルの瞳が揺れる。
アデル・エルミオン :
……苦しいな。また世界が美しく感じてしまうのは
yulai :
(……猫りんごが居た世界は居なくなったとしても美しいままだと思うけれど、それは現実味が無いからなのかな、色んな記憶があるからよ……)
人は傷つく。狂うこともある。
それでも誰かと時間を共有することをこの世界は止めない。
飛空艇は愛おしい不完全さを運んで、夜の街レヴェリアへと帰っていく。
7つの欠片は残り2つ。
最終章「君がいたから」
定期飛空艇グランド・レヴェリー号がレヴェリアへ帰るまであと数時間。
あなたたちが客室のソファーでゆったりとした余白の時間を楽しんでいると、チカチカと電子音を鳴らしながら1体の配膳ロボットが一行の前にテーブルセットと豪華な食事を用意し始める。

配膳ロボ :
アモリカ市民を代表して感謝を申し上げます。レヴェリアに到着するまで、美味しいお食事をお楽しみください
テーブルに並ぶのはアモリカ特産の甘く香ばしい香りを放つ料理の数々。
ルカもうわ、美味そう!めっちゃ豪華じゃん!と大はしゃぎしながら、あなたたちと楽しくおしゃべりを交わす。
それまで静かにナイフとフォークを動かしていたアデルがぽつりと呟いた。その視線は手元のスープに落ちている。
アデル・エルミオン :
お前たちは騒がしいな
その声は穏やかだった。
やがてアデルはゆっくりと窓の外へ視線を戻す。雲海を真っ赤に燃やす夕焼け。
アデル・エルミオン :
……弟が好きだった景色だ
アデル・エルミオン :
俺と弟はお前たちみたいにいつも一緒だった。前に少し話したが俺は空路士で弟と二人飛空艇に乗って空を旅するのが好きだった……。
ある日、いつものように空を渡っていたら突然、空に歪みが現れた。
ブラックホールみたいなあれは“穴”としか言えないものだった。
気づいた時には弟がその引力に呑み込まれていて……。俺は操縦桿を握っていた。
だから、弟だけが引力に――
アデルの拳が、白くなるほどきつく握りしめられる。
アデル・エルミオン :
それから世界に色がないんだ
カラン……カラン……。
静かなテーブルの上に2つの結晶が零れ落ちた。
それは深い灰色と澱んだ夜のような黒色をした胸を刺すほど冷たい輝き。


ルイ :
……『悲しみ』の欠片。そして『嫌悪』の欠片です。弟さんを失った深い悲しみ。そして弟さんがいなくなってしまったこの世界に対する激しい嫌悪……。
これこそがアデルさん、貴方がどうしても失いたくなかった忘れたくなかった感情の形ですね
yulai :
揃っちまったなぁ
猫りんご :
そだね……
合計7つの欠片がテーブルの上に揃った、その瞬間だった。

ルイ :
――ブツッ……ジジ、ジジジ……
突如ルイの瞳の光が消え、ガクリとシステムがシャットダウンしたように浮力を失う。しかし床に落ちる直前、ルイの身体は青白い未知の光を放って再び静かに浮遊した。
その機械音声は先ほどまでの明るいルイのものではなく、すべてを包み込むような深く穏やかな女性の響きに変わっていた。
ルイ :
――7つの欠片すべての回収、ありがとうございました。強い想いの共鳴によって、いま一時的に貴方たちに直接話しかける権利を得ました。……私はこの世界の意志『レヴェリア』そのものです
レヴェリアの光がyulaiと猫りんごを優しく照らす。
ルイ :
この世界は『社会から外れた者の更生施設』ではありません。ここは現実世界で手放せなかった想いが集まり、生まれた世界です。未練、浪漫、愛情、後悔……そうした感情の残響が形になった場所。
ここへ辿り着くのは心が傷つき、立ち止まってしまった人々。けれど、私があなたたちを呼んだ理由は違います
あなたたちは悲しみも不条理も受け入れながら、それでも大切な人と共に前へ進もうとする力を持っていた
旅の中で生まれた欠片は、あなたたちが住人たちの想いに触れ、その停滞した感情を未来へ進む力へ変えていた証です
あなたたちはこの世界に溜まり続けていた想いを灯火へと変えてくれました。だから、レヴェリアはこれからも誰かの拠り所として在り続けることができます
……ありがとう。世界を救ってくれて
レヴェリアは愛おしそうに二人の手元にある7つの欠片を見つめた。
yulai :
ここへ辿り着くのは心が傷つき、立ち止まってしまった人々。この世界で死んでるけど、それもまぁって感じ? そもそもアデルはここに来てから傷つけられてるけれど
ルイ :
本来ここは強い想いによって生み出された、現実世界に疲れた人たちの拠り所です。ここで英気を養って、また現実に戻ってもらう――それが理想でした。
でも、ここは言ってしまえば現実逃避の場所。心を休めることはできても、もう一度現実を歩き出してもらうのは本当に難しい……
yulai :
ほほぉなるほど。それが当初の目的か……
ルイ :
そして想いはどんどん集まり、やがてこの世界を崩壊させてしまうほどになった。そこで貴方たちを呼んだのです
yulai :
それはレヴェリアさんもショッキングでしたね……
ルイ :
はい、でも貴方たちの心に影響されて想いは昇華されました。またこの世界は想いを溜めこむことが出来ます。誰かの拠り所として在り続けるでしょう
そして、最後に蒸気機関車へ乗るための金色チケットを渡し、少しだけ付け加える。
ルイ :
蒸気機関車に乗りながら、欠片を組み合わせたら元の世界に戻ります。……最後に私からのお礼として『組み合わせなかった感情の欠片は、現実世界に持ち帰れない』ようにします。例えば……もし『怒り』の欠片を組み合わせずに帰ったら、現実世界に『怒り』という感情は存在しない世界となります。それでは残りの旅も楽しんで
ルイ :
――プツン。ピピッ、あ、あれれ?
ルイの瞳にいつもの光が戻る。いつもの案内AIのルイだ。
飛空艇はゆっくりと高度を下げ、レヴェリアの飛行港へと滑り込んでいった。
yulai :
……感情の一個無くしたらヤバ人間になりそうだよねw
猫りんご :
ね、でも世界全員の感情をなくしたらそれが常識になるのかな?

yulai :
アデルさんはこの世界にとってバグみたいなものだね
アデル・エルミオン :
俺がバグ……? どうしてそう思うんだ?
yulai :
本来は「現実で傷つく → ここで休む → また現実へ戻る」って流れだけど、アデルさんはそもそも弟さんと幸せヨ~ンってここにきて、憂いなく過ごしていたのに弟さんがこの世界で死んでアンハッピーになったから?
アデル・エルミオン :
……特殊かもしれないな。だが、俺たちも現実で幸せだったわけじゃない。社交的じゃないし、居場所はなかったんだ
yulai :
そかそか……これで、この旅もおしめぇかぁ
ルカ・ノワール :
ここに残ってもいいんじゃね? 俺たち現実世界では会えるかも分からないしさ
yulai :
まぁ、先延ばしにしても良いけどね。時間止まってるらしいし。ここの感情を昇華したよ~んってなってまたため込んだら、また同じこと起こりそうではありそうよな。そこんとこは大丈夫そうなのルイ?
ルイ :
ぜんぜん大丈夫ですよ! 好きなだけここにいてください。きっとこの世界も貴方たちがいてくれた方が安定もします
yulai :
しかしブラックホールも謎だったよね。元の世界んもどりたいぃんってなったら勝手に戻っちゃうとか? つまりいないとまた不安定になって消される? 中々現実世界より過酷ともいえるかもしれないね
アデル・エルミオン :
ブラックホールは極めて重く小さな星の死骸、または天体だ。その強すぎる重力のために光さえも吸い込んでしまう空間の領域。さっきのレヴェリアの話とつなげると、想いが集まりすぎた場所に発生するのかもしれない
yulai :
こえー;;
ルイ :
不安定になったら、また貴方たちは呼ばれてしまうかも知れませんね~
yulai :
まぁ流石に現実世界堪能して、こっち来た方が長く一緒に居られる可能性あがりますわなw
yulai :
じゃ、帰りますか
猫りんご :
そだね
願えば、再びあの金色の蒸気機関車が目の前に現れた。行き先は現実世界の自宅だ。

アデル・エルミオン :
送っていく
ぶっきらぼうに同行を申し出るアデル。
yulai :
元々この機関車に乗るのが目的だもんね
アデル・エルミオン :
あぁ、そうだな。一緒に帰るが正解か
ルカ・ノワール :
……俺も帰ろうかな、せっかくの機会だし
4人と1機を乗せて蒸気機関車は夜空のレールへと飛び立つ。

止まらない機関車の轟音。切り裂くような夜空の風。
最後に手の中の欠片を組み合わせようとしたその時。あなたたちは決定的な違和感に気づく。アデルから生まれたはずの『悲しみ』の欠片がどこにもないのだ。
yulai :
え、盗んだ!? 盗んだ?! こわ?! おっと、人を疑うのは悪いよなぁ
アデル・エルミオン :
現実世界を悲しみのない概念へ移行する
視線を上げるとアデルの席は空だった。同時にガシャァン! と、機関車の前方──屋根へと続く扉が開け放たれ、冷たい突風が車内に吹き込む。
風によって転がっていく欠片をルカが集める。激しい風の中、アデルは『悲しみ』の欠片を手に機関車の屋根の上へと逃げていく。

yulai :
ぐぇえええ ○すぞ
ルカ・ノワール :
外に欠片を持ち出すのは危険だ! 俺はここで残りの欠片を見張ってるから!
猫りんご :
くそ~~!! アイツ
あなたたちがアデルを追いかけて外へ出ると夜空を走る機関車の屋根の上、アデルの白い髪が激しく揺れていた。
アデル・エルミオン :
現実世界は残酷だ。どれだけ願っても大切なものはいずれ壊れ、あとに残るのは引き裂かれるような悲しみだけ……! だったら、そんな感情は最初から無い方がいい!!
『悲しみ』の欠片を持ち帰らせず、現実世界を悲しみのない概念へ移行する。お前たちの世界から俺が悲しみを消してやる。悲しみはここに置いていけばいいんだ……!
yulai :
(回想)——でも感情の一個無くしたらヤバ人間になりそうだよねw
これ完全に無視して自分の思い通りにするのヤバイw
てか、それぞれじゃなくて共通の欠片なんだ……
アデル・エルミオン :
好きに言えばいい……、本当の悲しみを知らないからそんなことが言えるんだ……!!
その時、アデルのあまりにも肥大化した強い想いが世界の許容量を超えて暴走する。
空間がバチバチと音を立てて裂け、アデルの背後の夜空にすべてを無に還す漆黒のブラックホールが出現する。凄まじい引力が機関車を襲った。

yulai :
最後に世界を見たいって言うから連れて来たのに。美し~って言ったのに嘘つきじゃん。人の世界勝手に変えて何様のつもり?
アデル・エルミオン :
うるさい! うるさい……!……っ!!
yulai :
……まぁええか。悲しみ無い方が便利かもしれんもんね。どうせ妹と過ごしたいだけだし。現実世界終わったらこっちに来ればいいもんね
ルイ :
警告! 想いが強まりすぎた場所にブラックホールが発生! このままでは吸い込まれます!
🎲 どっちが吸い込まれるか (1D2) > yulai
アデルの顔が驚愕に染まる。目の前で人を二度と失いたくなくて、彼も必死に手を伸ばすが届かない。
🎲 相方にどう対処するか宣言させ、ダイスを振らせる(精神や幸運、感情銃など。目標値:通常成功)
猫りんごは思わず、ブラックホールの軌道から外そうとyulaiに飛び込むだろう。
CCB<=85 【回避】 (1D100<=85) > 86 > 失敗
猫りんご :
あっ……;;
猫りんごの身体がそのまま宙に浮き、ブラックホールへと吸い込まれていく。
[雑談] 猫りんご : バチあったんか、こんな裏切りシナリオを書いたから……
yulai :
俺は、撃つよ……
ブラックホールに!!!!! この"憎しみ"と"落胆"という!!! 感情を!!
おめーーー仲間じゃないんかーーー!! 己の欲ばかりを優先し!! それを感情の暴走だと定義する……!! ……この俺も!!!!
[雑談] 猫りんご : そこ冷静なのかよ 自分も含めてるの笑う
yulai :
大体このブラックホールという危険を打破しないと、この世界に安寧は訪れない!!
yulaiが銃を撃った時、パキィン! と夜空に美しい音が響いた。
yulaiのなんとしてでも二人の世界を生きるという意志、猫りんごの命を鑑みずパートナーを救いたいという願い。その感情や絆を前に世界は再び安定を取り戻し、ブラックホールは静かに閉じていく。

静寂が戻り、機関車の屋根の上に三人の呼吸だけが響いていた。
アデルは伸ばした手を震わせたまま、呆然とあなたたちを見つめている。
アデル・エルミオン :
本当に……かけがえのない存在なんだな。すまない……本当に、すまない
アデルの手からポロリと『悲しみ』の欠片が零れ落ち、あなたたちの足元へと転がった。アデルは膝から崩れ落ち顔を覆う。その指の隙間から大粒の涙が溢れ出していた。
yulai :
いやあぶな!!!
アデル・エルミオン :
……どうして悲しみは必要だと思うんだ?
yulai :
俺にとって大事な仲間だったけど、アデルにとってはそれっぽっちだったんやな。元気に生きろよ
アデル・エルミオン :
裏切られた気がしたのか?
yulai :
軽んじられたんだなって。俺の気持ちより、自分の気持ちが崇高だと。一緒に過ごしてきたけれどずっと過去を見続けているんだなって
アデル・エルミオン :
悲しみがない世界の方が幸せだと思った。それは世界が美しく輝けば輝くほど、これを失ったらきっと苦しいから。だから悲しみがなくなれば、お前たちも幸せだと思った。もう信じて貰えないかも知れないが
yulai :
じゃあ相談したらええやん
アデル・エルミオン :
本当だな……、今までこうして人とぶつかったこともない。その発想がなかったんだ。今度はちゃんと相談するようにする
yulai :
……俺も怒ってごめんな。
猫りんご :
そうだね、アデル『現実世界を悲しみのない概念へ移行する!』って言った、お前の姿はお笑いだったぞ
yulai :
ここにきてオーバーキル!?
アデル・エルミオン :
好きに言ってくれ
ルカ・ノワール :
おーい、大丈夫かー!? 凄い光と揺れがあったけど
ルカに客席から声をかけられ、3人は客室へ戻った。
ルカ・ノワール :
これで欠片が全部集まったか。二人で全部集めちまうなんて流石だな
7つの欠片はすべて、あなたたちの手の中に揃った。機関車は現実世界との境界線へと近づいていく。さあ、最後の選択だ。あなたたちはどの結末を選ぶだろうか。
①すべての欠片を持って帰る
②どれかの欠片を残す(『悲しみ』を残すなど)
③帰らずこの世界に残る
yulai :
これ、逆に増やしたらさ、世界平和になんないかな
猫りんご :
増やす?
yulai :
悲しみとか恐怖とか、大事な感情を持って帰るのも大切だけどさ。そもそも、そこまで傷つかずに済むような何かを増やしたら、レヴェリアに来なきゃいけない人も減るんじゃないかなって。
猫りんご :
一次感情は7つに分けられてると、その限りではないんじゃないかってこと?
yulai :
感情は7つっていうのも、人間が考えただけだし。
ある意味世界を変えてしまう行為にはなるわけだけど。俺は今回旅してて思ったんだ。みんな愛がなかったわけじゃないんよ。恐怖もあったし、悲しみもあったし、怒りもあった。でも自分を慈しむこととか、相手を思いやることとか、その感情を誰かと結びつける力が上手く育たなかった。
もし世界に最初から、そういう『結びの感情』がもう少し根付いていたなら……今回みたいな悲劇も少しは減ったんじゃないかなって。そして、これは俺たちに強く存在する

その瞬間、二人から"結び"の欠片が現れる。
ルイ :
……これがお二人のどうしても失いたくなかった感情
yulai :
おーハート型や
猫りんご :
あたたかい形だね……
yulaiはアデルが消そうとした悲しみの欠片も、そして結びの欠片もすべて胸に抱いて、猫りんごと現実へ還る。
その感情をここに置いていったら、旅の途中でルカが見せてくれた不完全な本音も、猫りんごと寄り添い合った夜の温もりも、すべて消えてしまうからだ。
欠片が1つに溶け合い、まばゆい金色の光があなたたちを包み込んでいく。
ルイ :
0時22分。yulaiおよび猫りんご、両名の胸部には旅の終わりを惜しむ『悲しみ』が存在しています。――しかし当機はこれをエラーではなく、お二人がこの世界とお互いを深く愛した『極めて良好な証』であると認定します。
ログ:[ 君と一緒だったから、世界は愛おしい ]
――保存完了。余白時間は終了しました。……いってらっしゃいませ。良き、明日を

現実に戻ったyulaiは隣にいる猫りんごを見つめる。忘年会帰りの冷たい冬の夜。
yulai :
これから1か月は会社100周年記念で休めるの神
猫りんご :
1か月なにしようか!
yulai :
いやもうTRPGの嵐よ!
猫りんご :
いいねぇ!
胸の奥にはまだ消えない痛みがある。
悲しみを知っているからこそ、人の涙に気づける。
恐怖を知っているからこそ、繋いだ手の温もりを愛おしく思える。
人は傷つけば、誰かを信じることを恐れる。
それでも、もう一度手を伸ばしたいと願う心がある。
慈しみ。思いやり。誰かと生きていきたいという想い。
それらはきっと、数えきれない感情の果てに灯る小さな残灯なのだ。
二人は笑顔で新しい明日へと歩み出す。
──『レヴェリアの残灯』完
▶ 妹:感想(ここをクリック ※ネタバレ)
TRPGを作ろうと決めたとき、最初に思ったのは「姉と二人でいろいろな世界を旅したい」ということだった。
未知の出来事に出会ったり、冒険に胸を躍らせたりする感覚は、子どもだけの特権のように思われがちだけれど、大人だってそんなワクワクを味わいたい。
だからこの作品では、とくに新しい土地や文化・価値観など大人ならではな「未知」に触れられるような情報をたくさん盛り込むことを意識した。それは姉がそういう未知な情報を読むのが好きだと知っていたからでもある。
そしてもうひとつ、遊び終わったあとに少しだけ心が温かくなったらいいなと思った。そして自分たちが生きているこの世界を今までより少しだけ愛せるようになったらいいなと。
だから、このTRPGのメインテーマを
「君と一緒だったから、世界は特別になる」
に決めた。
また、サブテーマとして自分が普段から考えていることもたくさん詰め込んだ。
・喪失や悲しみをどう抱えて生きていくのか
・「何者か」にならなければ存在してはいけないという呪いからどう解放されるのか
・思い出や感情は見方を変えることで肯定し、受け入れられるのではないか
そうした問いを旅の中で少しずつ描いていった。
実際に姉と遊んでみると、気づけば12時間近くぶっ通しで遊んでくれていた。
それだけでも十分嬉しかったんだけど「今まで遊んだTRPGの中で一番雰囲気も世界観も好きだった」「次の作品も遊びたい」と言ってもらえたことが本当に嬉しかった。
この作品を作る中で特に心に残った曲が『おまじない!』だ。
誰かの悲しみや苦しみを消してしまうことはできなくても、その人が少しでも前を向けるようにそばに寄り添うことはできるかもしれない。そんな優しくて温かな願いがとても素敵だと思った。
姉が旅をしてくれたから。一緒に笑って、悩んで、景色を見てくれたから。
このTRPGもまた特別なものになったのだと思う。




消火活動をしている……!















































































































