マヒルのこと

……なぜ好きな人の全てを知りたくなるのか?

 ・過去の傷を知れば、どうすれば彼が癒されるかわかる。
 ・好きなものを知れば、どうすれば喜んでくれるかわかる。
 ・苦しみを知れば、どうすれば支えられるかわかる。
⇒ 相手を知ること=より良く愛せると思っている。

 ・表面的な関係ではなく、その人の本質 に触れたい。
 ・相手と 唯一無二のつながりを築きたい。
 ・「この人は私だけが理解している」 という安心感がほしい。
⇒ 相手を知ることで、お互いが特別な存在になれると考えてしまう。

 ・もし知らないことがあったら、愛し方を間違えるかもしれない。
 ・知らないことがあると、相手が離れていくかもしれない。
 ・すべてを知っていれば、相手にとっての最善を選べる。
⇒ 彼を理解し尽くせば、安心できるし、愛し方を間違えない。

…というわけで、140文字では足りないマヒルへの想いをブログに綴っていく!

 

■マヒルの紹介恋と深空』レビュー・感想・評価:新キャラ「マヒル」は ...

二人のモチーフはアダムとイヴ

「アダムとイブ」―― 禁断の果実(リンゴ)を食べてしまったのです。
この出来事は神に対する罪。二人はエデンの園から追放されてしまいました。
https://diamond.jp/articles/-/310930

彼のEvolは引力制御。EVOLは逆から読むとLOVEになり、公式でEvolは愛のカタチと言われている。アダムとイヴ=リンゴ=万有引力すべて繋がっていて美しい。

 

■各思念の感想 ~時系列と思われる順番~

・夏に帰す(☆4)主人公:高校生、マヒル:大学1年の夏

幼少期から願いごとを書いていた壁。マヒルは主人公が見えないよう高い位置に願いを書いていた。大きくなってからその願いを確認すると、そこには主人公の名前だけがあった。
「具体的な願いは自分で叶えられる。お前の力を借りなくていい」「叶ってない願いの方が深く記憶に刻まれる。簡単に忘れられないくらい」「オレ達が離れている間もいつも思い出してもらえればそれが一番いいんだ」「オレのこともいつも想っていてほしい」

⇒ 願い事が主人公の名前だけの理由は①主人公の願いを叶えてあげたい②主人公の唯一無二でありたい、どっちなんだい!……②番!!オレのこと"も"いつも想ってほしいということは、彼は主人公のことをいつも想ってるということだよね。

 

・先払いの約束(☆4)主人公:高校生、マヒル:大学2~3年の夏

主人公が一番仲の良い友達と喧嘩した。落ち込んで元気のない主人公をマヒルはマーケットへ連れ出す。マヒルは主人公がむかし仲直りしようと自分から言い出したのがすごいと勇気づける。
「それは相手が大切なものをわかってないんだ。彼がお前を好きじゃないなら、お前も彼のことは気にするな。お前のことを好きな人は他にもいるしな」私は座り直してマヒルを見つめた。彼の顔にかすかな動揺がよぎる。「オレの妹はこんなに可愛いんだから」「ふふ、私を世界一だと思ってくれるのはマヒルだけだよ」「当たり前だ」

⇒主人公を勇気づける兄らしさと時折滲む恋心のバランス。長い間抑え続けてきた想いが普段は兄らしさで隠されながらも、ふとした瞬間にこぼれ出るのが良い。

 

・秘話 主人公:大学生、マヒル:大学生

航空アカデミー飛行訓練のお話

⇒ 「どんな障害も飛び越えて、どこへだって行きたい場所に行けるだろ?」という意味深な台詞。マヒルは困難のたびに主人公を守るように隠そうとし、さらには二人だけの世界へ逃げたいとも言う。この言動の背景を後ほど考察したい。

 

驟雨の章(絆)主人公:大学生、マヒル宇宙機パイロット

幼い頃、主人公はかくれんぼの最中に屋根裏に閉じ込められたが、実はマヒルがガキ大将から守るための口実だった。今回も嵐の風で扉が閉まり二人は再び屋根裏に閉じ込められる。しかし実際はマヒルがEVOLを使って閉じ込めたのだった。
「私はもうあなたに守られる必要ない」「外に出て過去の世界を知ったから、過去の全てを捨てたいのか?」「もう自分が大人になったからって手を離そうとするのか?」「お前はもうすぐもっと遠い場所へ行くんだろ?」

⇒ 主人公が自分から離れるかもしれないとすぐに感情が不安定になる。この心理も後ほど考察したい。

 

・舞台の内と外(☆4)主人公:大学生、マヒル:大学卒業式

ヒルへのラブレターを見つけてしまう主人公。不安になる主人公にマヒルは安心させる言葉を言う。感謝の印として主人公はマヒルの口近くへキスをした。マヒルが異常なほど静かなことに気づく。日差しが強くて顔はよく見えなかったが、耳たぶが赤い。
「オレ達って本当に似てるな」「今なら高校を卒業するお前を見てた時のオレの気持ちがわかるだろ?」「あの時、お前がこれからたくさんの人と出会ってオレから離れていくんじゃないかと思ったら、全然眠れなかった」「彼女なんて作らない。他の人を気にする余裕なんてない。だから心配するな。そんなことしないから」
「その人は言いました。卒業した後、私はたくさんの人に出会い、もしかしたら一番大事な人に出会うかもしれない。ですがこれは本質的には選択問題だと思うのです。今大切な人がいないから、これからに希望を託している。私はとても幸運です。なぜなら少なくとも今、私には既に手放すことのできない大事な人がいるのですから」

⇒「彼女なんて作らない」宣言や卒業式の答辞でこの言葉を言うのは、相当な覚悟と誠実さを持った人物にしかできないことだと思う。普通、卒業式は「新しい出会い」や「未来への希望」を語る場だけど、そんな場で「自分にはすでに手放せない大事な人がいる」と明言することは、強い信念と決意がないとできないから。一時的な感情ではなく、相手に対する深い愛情があってこその言葉だと感じた。

 

・昨日のような長い昼(☆4)主人公:大学最後の夏、マヒル宇宙機パイロット

学生時代から主人公に彼女のフリをさせて告白を5回断っていた。
「ふん。女性から好意を受けるたびに彼女のふりをしてって頼んでくるなんて、私の恋愛運に悪影響が出たらどうしてくれるの?」「もうとっくにお互い影響し合ってるとおもってたけど」「前にお前のヘアゴム借りただろ?銀色のビーズにリンゴが付いてるやつ。宇宙機関に戻った後、しばらくつけてたんだ。『リンゴちゃん』のお陰で弁当をくれる人がかなり減ったよ」

⇒ シンプルに色々嬉しい。

 

空の境界線(☆4)主人公:大学卒業前、マヒル宇宙機パイロット

ハンター試験に合格できるか不安な主人公。たとえ兄さんであっても、今のこんな気持ちを打ち明けることはできない。心配をかけたくない。そして何より「ハンターになれなくても大丈夫だ」と肩を叩いて慰められるのが一番怖い。私は本当にハンターになりたいのだ。
「試験は毎年あるんだろ?ダメならまた来年挑戦すればいい。お前にとってハンターになることが大事なのはわかってる。だから諦めろなんて言わない。オレはお前なら一発で合格出来るって信じてる。就職できないのが怖かったら合格するまでオレが仕送りしてやるさ」「マヒル、私全力でハンター試験に挑むよ。一発で合格したい!そしたらマヒルの自慢の妹にもなれるでしょ」「お前はもう十分立派な妹だ」

飛行機の音で声がかき消される中、主人公は「来世もマヒルの妹でいたい!」という言葉を轟音に飲み込ませた。「もしオレが生まれ変わったらお前の兄ちゃんになりたくないって言ったら?」「じゃあ何になりたいの?」「空を飛べるものがいい」「わかった。じゃあ私も海鳥に生まれ変わって巣作りを手伝ってあげる」「じゃあ来世の海鳥さん、今度こそオレとすれ違わないようにな」

⇒ 夢をまっすぐ応援してくれることが嬉しい。私の好きなものを否定せず、大切に扱ってくれる。その姿勢にどんな未来が待っていても受け入れてくれる、守ってくれるという安心感を感じる。その中で私は深く愛されていると思う。「今度こそオレとすれ違わないようにな」というのは、兄妹関係のことだろうか。来世は家族でなく、純粋に愛情を伝えあえる立場で出会いたかったのかな。

 

・束の間の長い昼(☆4)主人公:真空ハンター、マヒル宇宙機パイロット

思い出の場所を楽しむために臨空タワーを訪れた主人公とマヒル。そこで過去の再来を体験することに。

⇒兄妹の熱い共闘が見れるぞ!

 

メインストーリー 主人公:真空ハンター、マヒル:遠空艦隊執艦官

第4章ではマヒルが帰省した際に家が爆発し、彼とおばあちゃんが巻き込まれる。主人公は爆破事件が何者かの仕業だと考え、独自に調査を開始する。
「大人になったら自分の足で立たなきゃ……」「何がいけないんだ?オレが守らなきゃだれがお前を……」

⇒ ずっと前から主人公を危険から守ろうとしてくれてたんだ……。

新章「飛ぶ鳥の帰る日」では、主人公が“遠空艦隊”という組織に潜入するが、そこで爆破事件で死亡したと思われていたマヒルと再会。マヒルは新任の執艦官となっていた。

主人公はその後、マヒルの家に滞在することになるが、マヒルは任務で夜な夜な出かけ、主人公も事件の調査のために秘密の行動を取るようになる。最終的にマヒルは主人公を守るために軟禁するという強硬手段に出た。

⇒ マヒルにはチューリングチップが埋め込まれていた。このチップは彼の感情や人格にまで影響を与えるため、彼の思考や行動が果たして本当に主人公のためのものなのか、それともチップによるものなのか次第に不明確になっていく。物語は彼が持っていた兄としての絶対的な信頼と安心感が揺らぎ、疑念が生まれていく展開になっている。

ヒルは秘密裏に行動して怪我をした主人公に激しい怒りを見せる。「昔、怪我した猫が逃げられないように鈴をつけた。お前にもそういう鈴をつけてやろうか?」「オレのそばだけが安全だ」「オレなんていらないって?じゃあなにが欲しい?なんでも言ってくれ。全部用意する。一番きれいな花園をつくってやるよ」と縋るマヒルに主人公は「あなたは兄さんで大切な家族」と拒否。マヒルは「オレは家族ごっこにはとっくに飽きてる」と言い放つ。

気まずいまま別れる二人。帰りの飛行機、ポケットに知らない感触が。取り出して見ると黄色く色褪せた「仲直り券」だった。

⇒ 過去のストーリーを読めば、マヒルは昔から主人公を守りたいし、ずっと愛していたことがわかる。最後の「仲直り券」は、マヒルの本質が変わっていないことの象徴。

⇒ マヒルが初めて「兄」ではなく、一人の男性として主人公へ想いをぶつける。それは穏やかな告白ではなく、主人公に拒まれたことで長年押し殺してきた感情が決壊した瞬間だった。彼はずっと想いを伝えることなく、ひたすら抑え続けてきた。しかし、主人公の拒絶によって積み重ねた自己抑制が崩れ去り、もはや本音を隠すことはできなくなる。理性的で優しい彼が、初めて感情を剥き出しにする。それは彼の想いの深さと、どれほど長く耐え続けてきたかを物語っていた。

⇒ 「一番きれいな花園をつくってやるよ」という言葉が、アダムとイヴのオマージュだとしたらロマンチック。エデンの園のように与えられた楽園ではなく、自分の手で創り上げる二人だけの場所という意志を感じる。

 

エンドレスサマー(☆5)天行市で別れてから会っていない

ヒルが少しうつむいて私を見る。彼は棚の前から離れようとせず、私も動けない。微妙な気まずさを感じ、真っすぐ彼を見つめることができない。マヒルは自然に私の髪をなでようとした。伸ばされた手が私の目の前でピタリと止まる。その手は結局そのまま掲げられ、棚の一番上にある画集を取った。

『FY-26だ。気に入ったのか?兄ちゃんは将来、その飛行機を操縦する!』
「ひとりにしないでくれ……」
「何回思い出した?オレがお前に会いたいと思った時、お前もオレに会いたかったのか?」

⇒ 仲直り券で和解してから初めての再会。マヒルの恋心に気づいた主人公。二人の間に流れる微妙な気まずさと距離感がたまらない。この絶妙な空気感が関係の変化を感じさせている。

⇒ エンドレスサマーを眺めていたら、シャッターの音が響く。驚いて振り返ると、マヒルの目が一瞬泳ぐのが良い。咄嗟に誤魔化そうとする仕草が、むしろ彼の気持ちを語っていて愛おしい。船に帰ったあと見返して主人公をたくさん思い出して欲しい。

 

・限定の後味(☆5)お互いまだ避けている

任務をしていると「臨空にちょっと寄ってみた」マヒルに会う。昔、恋人になれたであろう友人がいたおばあさんが、マヒルに「あなたずっと前からここに来ていたわよね。どうして立ったまま、遠くから彼女を見ていたの?」と声を掛けた。

「これがオレが留まりたくない理由だ。困ってるお前を見たくない。多分……オレをごまかすために作られた顔を見たくないんだ」「じゃあ次に会いに来たときは、一人で遠くに立ってるんじゃなくて、来てることをちゃんと私に知らせて欲しいな」「まだあのおばあさんが言ってたことを気にしてたのか?避難誘導をしていたから邪魔しない方がいいと思っただけだ」「避難誘導は2時に終わったけどあなたに会ったのは4時だよ」

「今日あったあのおばあさん……あのブレスレットを贈ってくれた人とは一緒になれなかったんだよね?」「人はやらなかったことを後悔するけど、やって後悔することもあるかも知れない」「人はよく矛盾したことをする。それにオレは自分が何を欲してるのかずっと前からわかってる」「答えを貰えなくてもあなたは続けるの?」「オレに葛藤がなかったと思うのか?オレは自分が何をしてるかわかってる。お前はわかってるのか?」

「誰のせいで眠れなかったのかどうして聞かない?答えないのはオレが『その人はお前だ』と言うのが怖いからか?それとも、お前じゃなかったら怖いか?」

「リンゴソーダ、マヒルが好きな品種。本当にオレのために覚えたのか。お前がオレと会いたがっている証拠としてこれを貰っていいか?」「昨日、お前も眠れなかったんだろ?誰のせいで?焦らなくていい。その理由はゆっくり考えてくれ」ここで二人は同じリンゴを齧る。

「次にいつ会いに来るかすら考えてないならあなたの言った言葉はその程度だってことだよ」「オレは好きになればなるほど、その気持ちを抑えられなくなる人間だ。お前も知ってるだろ?」「あなたが私と会いたくない理由は、私の顔にヒビみたいな表情が浮かぶのを見たくないからでしょ。もし気づいてないふりをすることであなたを傷つけるなら、もうしない。次に会ったらもう来た理由は聞かない。だから、言い訳が見つからないからって会いに来ないようなことはしないで。私に会いたいなら、言い訳なんて必要ないんだから」「もし今後このことを後悔したら、臆病者って一生呼び続けてやるからな」

⇒ リンゴを齧るシーンが、アダムとイヴに重なる。彼らが禁断の果実を口にしたことで「知識」を得て楽園を追われたように、主人公もマヒルの恋心を受け入れ、自らの恋心にも気づき、これまでの世界が一変する。兄妹としての関係から、恋愛へと踏み出した瞬間。

 

・暗流の迫る境界(☆5)

ヒル看病思念。

「マヒル何に怯えているの……?」「こんな様子をお前に見せたら、もうヒーローぶれないだろ?」

「オレがしたことがお前を傷つけてるのか?」「私には自分を守る力がないと思ってるでしょ。それで傷ついたことがある。病気なのに一人で部屋にこもって私に入らせてくれない。あなたは自分自身を傷つけた上に、私のことも傷つけた。怖いの?自分の弱い部分を私に見せるのが。弱い部分を見せてくれるつもりはないんだね」「……行かないでくれ」「私はあなたに隠し事をしたことないのに、あなたは違うみたい」「弱い部分がない方がお前も安心できるだろ」「でも私はあなたの後ろに立ちたくないの。あなたのそばに立ちたいの」主人公の手をマヒルの胸へ持っていく。「感じるか?オレの弱い部分だ。彼女はここにいる。ずっと昔から、ここにいるんだ」「うろたえてる姿をお前に見られるのが怖かった。オレはお前を守れるってことを、もう信じてもらえないんじゃないかって」「ここに残ってほしい。オレと一緒に100年を過ごしてほしい。どこでも構わない。臨空でも、天行でも。オレのそばであれば」

⇒ こっちだって看病したい!٩(◦`^´◦)۶ マヒルが見せられない弱さについても後ほど考察する。

 

・痛みのシグナル(☆5)遠空艦隊から戻って2週間、風邪で閉じこもった話

機械化されてしまった右腕が主人公にバレる。
「他人がしたことより、お前がオレのために危険に飛び込む方がオレを苦しめる

⇒ 兄さんが帰還して嬉しい!と思っていたのに、チューリングチップを埋め込まれ、右腕まで改造されてて……プレイヤーの心をぐちゃぐちゃにするのが上手だね。

 

・伝説(☆5)メインストーリーから約2か月後(右腕の感触に気づいてそう)

主人公は遠空艦隊へ出向し、チューリングチップの秘密を追う。しかし、マヒルの冷徹な一面に触れるうち、主人公は彼との距離を感じて自暴自棄に。そんな中、マヒルが危機に陥り、主人公は彼を遊園地に誘い、二人で夢のような時間を過ごす。

⇒ なぜ主人公はチューリングチップを自身に入れたのか?:マヒルは主人公を守るため、危険に関わることは一人で隠れて処理してしまう。それは情報が主人公を危険に晒す可能性があるから。主人公はマヒルの後ろではなく、そばにいたいので、同じものを見て、同じ痛みを知るためにチューリングチップを注入したのでは。(自暴自棄になったのもあるが)

「必ずお前が気に入る方法を見つける。お前がオレのそばにいる限り」「マヒルそういうあなた、ちょっと嫌い……」マヒルは苦痛な表情を浮かべる。「でも一番嫌いなのはあなたの言葉にいつも動揺してしまう自分」「ごめん……もう分からないんだ。どうすればお前を守れるか」ここでマヒルは倒れてしまう。チューリングチップが「感情の波動が許容値を越えています」と告げる。

チューリングチップを埋め込んだ主人公の手術前、主人公が大人になって初めてマヒルの額にキスをした。「今の顔、まるで罪を告白する罪人みたい」「なら、お前も少し罪を着てくれ。オレが孤独にならないように」

⇒ マヒルと主人公どちらがイヴ?:イヴがリンゴを差し出し、アダムが受け取る。限定の後味でリンゴを差し出したのはマヒル。そして「なら、お前も少し罪を着てくれ。オレが孤独にならないように」と言うように、マヒルは 「先に罪を背負っている者」 であり、主人公にそれを分け与える立場となっている。主人公は一人で罪を抱え込んでいたマヒルの手を取り、一緒にいるため同じ運命を選ぶ。二人の関係は共に堕ちることで結ばれるという、美しくも危うい絆になっている。

「お前が初めてオレの手を取ったあの日から、オレはもう逃げられないさ」

「マヒル、どうしていつもあなたが先に私を見つけるの?」彼女の声は心臓に走る電流のようだ。それは永遠に癒えることのない、彼の慢性的な病と言える。これこそが彼のあらゆる臆病さ、ためらい、卑劣な考えの源だ。「それはきっとお前が想像する以上に、オレがお前のことを愛しているからだ」

⇒ 主人公に恋をしたのは、初めて手を取った瞬間ということでよろしいか?

⇒ 好きだと大胆になれるタイプとは違い、マヒルは「臆病さ、ためらい、卑劣な考えの源」が生まれるタイプらしい。この背景も後ほど考察したい。

 

■推定される性格分類

恋と深空』新キャラ“マヒル”が登場&メインストーリー新章実装 ...

参照:https://www.personality-database.com/profile/1707063/xia-yizhou-caleb-love-and-deepspace-mbti-personality-type

ENFJ-T人とのつながりを大切にし、他人の感情に敏感で思いやり深いタイプ。社交的でコミュニケーション能力に優れ、人々を勇気づけたり、集団をまとめたりすることが得意。しかし、他者の期待に応えようとするあまり、自分にプレッシャーをかけすぎることもある。自己改善への強い意欲を持ち、他人の意見に影響されやすい一面もあるが、自分の価値観をしっかり持っている。他人のために尽力し、無理をしすぎて体調を崩すことがあるため、自分を大切にすることも重要。理想主義的で長期的なビジョンを追求し、共感をもとに人々との関係を築く。

2w1ENFJの2w1は、他者との強いつながりを求める一方で、自分が正しいことをしているか、他人の期待に応えているかを常に考えている傾向がある。そのため、他人を助けたりサポートすることに強い満足感を感じる一方で、自己の価値観や真実性を大切にしたいという欲求も抱えている。例えば「他人に尽くすことが自分の使命だ」と思いながらも、「本当は自分は何をしたいのか?」と悩むことがある。

Δ268自ら進んで親の役割を担い、果敢に行動して恵まれない人々を助けようとするが、同時に人を独占したいという欲求が強い。人間関係では自分が力を握っていなければならないという意識が強く、支配的で威圧的なところがあるためタイプ8のように見えることがある。長期的な支援を行うのではなく、目の前の差し迫った問題を解決するための支援を行うサポーター。

sx/sp深い人間関係を求める情熱的で親密な面を持ちながらも、自己保存の欲求から安定や自己防衛を大切にし、感情的な絆を築く一方で、慎重に自分の生活や空間を守ろうとするバランス感覚を持っている。

ESE他者との調和を大切にし、感情的なサポートを提供しながら、現実的な状況に敏感で活発に行動し、新しい経験や冒険を楽しむ社交的で魅力的なタイプ。

 

■考察したいこと

・マヒルが困難のたびに主人公を守るように隠そうとし、さらには二人だけの世界へ逃げたい理由。
⇒ 立ち向かうのではなく「逃げる」「隠れる」を選ぶ理由は、幼少期から強大な力に支配され、無力さを痛感してきたから。実験対象として扱われ、役に立たなければ捨てられる環境で育った彼にとって戦うことは無謀であり、命を守るためには安全な場所に隠れ、危険を避けることが最も現実的な選択肢だった。この選択肢は単なる保身ではなく、愛する主人公を守るために必要不可欠な戦略である。また、深空のストーリーは主人公たちの過去や前世の繋がりも中心に展開していて、前世のモチーフが童話や神話であることが多い。マヒルと主人公の場合は、やっぱり前世がアダムとイヴなのでは。アダムとイヴが禁断の果実を食べたことで神の怒りを買ったように、主人公とマヒルも神の力には対抗できず、隠れて生きることが唯一の生存手段だったのでは。

 

・主人公が自分から離れるかもしれないとすぐに感情が不安定になる理由。
⇒ 性格分類から考慮すると、好きな人との絆が自分の自己評価や安心感を支えていることが見て取れる。特に他者のニーズに敏感で支えを与えることを重視する2w1、親密な関係を深く求めるsx/sp、そして周囲との調和を大切にするESEの特徴を持つ場合、相手とのつながりが自分の存在意義や価値を強く左右する。そうした中で、相手が離れることで自己評価が揺らぎ、孤独や不安を感じやすくなり、心の安定を失うことへの恐れが強くなるのでは。価値を主人公に委ねているのであれば、それは愛情なのか?という疑問が浮かぶが、長い期間、彼が主人公を愛してきたこと自体が本当に大切に想っている証。それが憧れや依存ではなく、相手と一緒に成長し、支え合いたいという気持ちになれば、それは真実の愛の形の一つだと思う。

⇒ 普通の人間関係ではなく恋愛が絡むから?恋愛では自己価値が試される感覚や、相手との独占的なつながりを求める欲求から生まれる。恋愛は「選ばれるかどうか」がすべてなので、それが自己価値への不安を強める。さらに本能的な欲求を湧きあがらせ、独占欲や親密さへの渇望、執着、依存が生まれることが多い。「この人は私のもの」「他の人に取られたくない」「もっと深くつながりたい」「この人がいないと価値がなくなる」といった感情は、普通の人間関係ではあまり表れないけれど、恋愛では一気に表面化する。それが原因で感情の浮き沈みが激しくなるのでは。「社会的な自分」じゃなくて、「本当の自分」をさらけ出すことになるから、弱さや不安、過去の傷も隠しきれなくなる。自分の心の課題や未解決のトラウマ、愛情への不安も刺激されるし、恋愛の期待値が極端に高くなることで、期待が外れると大きな不安を感じやすくなる。

 

・見せられない弱さについて。
⇒ 彼の性格分類から考慮すると、自己価値が不安定であり、他者の評価に敏感。彼は自分が「完璧で頼りがいのある人物」であることを自己価値の指標としている。そのため、弱さを見せることが自己価値を下げると感じ、感情や弱点を隠す。さらにsx/spであるため、深いつながりを求める一方で、それを失う恐れも強く抱えている。特に相手から見放されることを強く恐れ、弱さを見せることがそのリスクを高めるのではないかと不安に思う。この不安は相手に完璧なサポートを提供したいという欲求とも結びついており、自分が弱いと感じられたくない。そして、2w1なので理想的な自分を目指す気持ちが強く、弱さを見せることがその理想像を崩すのではないかと心配する。「完璧なパートナー」でありたいという願望から、感情を抑え、弱さを隠そうとする。ENFJの特性として、他者の感情に敏感であり、特に好きな人からの拒絶に対して過剰に反応してしまう。自分の弱さが相手に嫌われる原因になるのではないかという恐れが、無意識的に弱さを見せないようにさせる。要するに「強く、頼りがいのある存在」でありたいという強い欲求から、感情や弱さを見せることに対して恐れを感じる。自己価値が揺らぐことや恋愛関係で拒絶されることを避けたい。

 

・好きだと大胆になれるタイプとは違い、マヒルは「臆病さ、ためらい、卑劣な考えの源」が生まれるタイプらしい。
⇒ 彼にとって「好き」という感情は単なる欲望ではなく「大切にしたい、守りたい、間違えたくない」という思いから生まれる。もし間違えたら彼女を傷つけたり、関係が壊れるかもしれない恐れが常につきまとう。彼女に惹かれる甘美な感情と、この気持ちが彼女を傷つけるかもしれないという恐れ。そのループこそが、マヒルを臆病にし、ためらいを生じさせる。

⇒ 兄妹という背景も要因だと思われる。相手を失いたくないという思いから、感情を先に出すことに対して不安を感じる。愛情表現を大切にしながらも、急がずに時間をかけて関係を築こうとするため慎重な態度になる。

 

■マヒルが幸せになるために?

・自分を大事にし、他人に求められることではなく自分のやりたいことをしてほしい。
⇒ 自分を大切にすることは、自己愛と他者への愛が互いに影響し合う。自分を大事にすることで、自己理解が深まり、他者の気持ちにも共感しやすくなる。心身に余裕ができるため、思いやりを持って他者と接することができ、結果として他者を尊重することが可能になる。自分を大切にすることは、他者を大切にするための基盤となる。

⇒ 依存せずとも愛されていると実感し、何もしなくても自分には価値があると信じて欲しい。「他人のため」ではなく「自分のため」に選択して欲しい。彼は無意識のうちに、誰かのため役に立とうとすることが多い。だから「本当にやりたいことは何か?」を問い続け、最終的に「自分のしたいことを選択しても、価値のある存在だ」と心から思えるようになって、自由になって欲しい。彼にとって怖いのは「自分が尽くさなかったら愛されないかも」 という不安。何かしなくても、変わらずに愛していることを示したい。

・盲目的にならないように

恋愛以外の大切なものを持ち、相手をコントロールするのではなく尊重し、自分の価値を恋愛で決めずに、安心できる関係を大切にしてほしい。依存ではなく支え合うことで、「この人がいなくてはダメ」ではなく「この人と一緒なら、もっと素敵な人生が送れる」と感じられるようなスタンスを持ってほしい。相手を信じ、恋愛以外にも大切なものを持ち(自立)、相手の価値観を尊重し、本音を伝える努力をすることで、お互いに無理なく心地よくいられる関係を築いていけるはず。

 

■本当はこの関係がどうあるべきかを考えたけれど……

正直に言うと、彼が主人公だけを見てくれるのは嬉しいし、主人公を大切にしてくれるのも幸せ。だけど、彼自身の世界が主人公だけで閉じてしまうのは望んでいない。彼には広い世界を見て、たくさんの経験をしてほしい。そのうえで、なお「主人公がいちばん」だと言ってほしい。彼の世界も大事にして、それでも変わらず私を選んでくれたら、私は心から嬉しい。
そして、彼の完璧じゃないところ、歪んでいる部分もすごく好き。そういうところが、「人間らしさ」を感じさせてくれるし、完璧じゃない部分があるからこそ、不完全な私と重ね合わせられる。共に歩んでいけるような安心感を持てる。どこかで私も彼を守りたいという気持ちがあるんだよね。